2023年10月17日放送 4:20 - 5:00 NHK総合

国際報道
2023 巨大経済圏構想「一帯一路」〜各国の状況は〜

出演者
栗原望 油井秀樹 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ニュースラインナップ

「深まる人道危機 各国は」など、今日のニュースラインナップを伝えた。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
中国「一帯一路」10年 パキスタンでは停滞も

中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」は、習近平国家主席の提唱から10年の節目を迎え、北京では明日から国際フォーラムが開かれる。「一帯一路」はアジアとヨーロッパを中心に陸路・海上航路でつなぐ巨大経済圏を構築するという構想。中国は鉄道や橋・港など世界各地で巨額の投資を行い、インフラ建設などを進めている。中国政府によると今年6月末時点で150あまりの国と30あまりの国際機関が関連する協力文書に署名、中国から3か国への投資額の累計は日本円で35兆円を超えるとしている。一方で中国への多額の債務を抱え検疫の譲渡などを迫られる「債務のわな」に陥りかねないと欧米からは懸念の声も出ている。スリランカでは債務の返済が滞り、港の運営権が99年間にわたり中国企業に譲渡されている。10年を迎える「一帯一路」、中国の隣国・パキスタンとネパールで現状を取材した。

キーワード
スリランカネパールハンバントタ港パキスタン一帯一路北京(中国)習近平

「一帯一路」に期待を寄せてきた国の1つ・パキスタン。その一環で「中国・パキスタン経済回廊」として総額600億ドル以上のプロジェクトを進めようとしている。「一帯一路」提唱後、習近平国家主席が初めてパキスタンを訪問した際には当時のナワズ・シャリフ首相とインフラ整備を進めることで合意した。しかし大きな期待から始まった計画はいま停滞がみられる。最大都市・カラチにある鉄道はかつて運行していた環状鉄道を復活させるプロジェクトだったが、中国からの資金調達などができておらず、事業決定から6年が経つものの一部区間しか運転していない。周辺では経済特区の建設も一向に進んでいない。「事業が進まない背景には新型コロナによる両国の経済停滞に加え、元首相の逮捕や抗議デモなどパキスタンの不安定さもある」と専門家は指摘する。雇用にも影響が出ている。かつて中国語を学ぶ教室があった場所では2年前から授業が行われていない。貿易会社に勤務するウサマ・ニザミさんは中国語を学んだものの仕事で使う機会はない。中国語を使った仕事は募集する企業を見つけるのも難しかったという。中国とのプロジェクトで230万人の雇用を生むと期待されたが、去年時点での実績は23万人にとどまるとも報じられている。さらにパキスタンの対外債務の3割を中国が占めるとされ、「債務のわな」も指摘されている。しかしこうした中でもパキスタン政府は「一帯一路」について前向きに取り組む方針を崩していない。

キーワード
SARSコロナウイルス2カラチ(パキスタン)ナワズ・シャリフパキスタン一帯一路習近平
中国「一帯一路」10年 ネパールの戦略

債務の罠などへの警戒から一帯一路の事業が滞るのがネパール。中国とネパールは2017年、一帯一路協定を締結。中国は南アジア進出への足場として位置づけた。ヒマラヤ山脈を超えて中国のチベット自治区からネパールまで続く壮大な事業「中国ネパール越境鉄道」も含まれていた。しかし、ネパール政府は中国との交渉を慎重に進め「一帯一路」として具体化した事業は一つもない。ネパールの専門家は「カトマンズから鉄道をしくためには巨額な費用が必要で中国は負担しないと思う。ネパール側にある程度の負担を求める。ネパールにとってのメリットは明確でない」と述べた。一方、存在感を強めるのがインドだ。中国の影響力を抑え込もうとネパールとの経済連携を強化しようとしている。水力発電のポテンシャルが大きいネパール。インドはそこに目をつけてネパールと経済関係を強化しようとしている。今後、インド側がネパールにある豊富な水力発電から1万メガワットの電力を購入することで一致。財政が厳しいネパール側にとって大きな成果となった。こうした動きに中国側はあせりをみせる。在ネパール中国大使はネパール側gあ一帯一路の事業とは認めていないプロジェクトまでその成果であると主張。ネパール側の反発をまねく事態に発展。中国は先月、ダハル首相を招待し習首席が会談。「一帯一路」を推進することで一致したと発表した。国境を接する中国とインドが影響力を競い合うなか、ネパールは一帯一路にどう向き合おうとするのかサウド外相がインタビューに答えた。サウド外相は「一帯一路についてわたしたちが主に求めるのは無償資金援助だ。我が国は両国と良い関係を持っており両国とのビジネスを望む」などと述べた。

キーワード
カトマンズ(ネパール)ナレンドラ・モディネパールヒマラヤ山脈プシュパ・カマル・ダハル一帯一路中国習近平
中国「一帯一路」提唱から10年

一帯一路で成し遂げた成果と課題について川島教授は「成果としては、先進国の資金がなくなっていくなかで中国が世界のインフラ投資に多くの資金を流してきた。そこで中国は世界各国と貿易関係を強めていって、世界の多くの国々が中国が貿易相手の1番か2番か3番になるという時代になった。今のパキスタンやネパールもそうですが、インドという大きい国があって大きい国とどう渡り合うか難しい。ネパールやパキスタンと協力してインドに食い込むことができた。これも大きな成果。それから安全保障の面から見てもエネルギー供給が安定するとかコネクティビティがあるので制裁を受けても維持できると安保の面でも良い成果。2010年代の後半から問題が見えてきて。資金が限界になってくる。コロナの立ち上げが良くない。国内においても経済が悪化している。中国経済がよくない中で援助をするという国内の批判もある。債務の罠という批判もある。それぞれの国が自国の利益に則して中国に求める。本当に中国が提供するのはWin-Winなのか突きつけられている。これまで以上にそれぞれの国の国益に則して細かい対応ができるのかが焦点、おそらくデジタルや環境など焦点を絞ってやっていくことになる。5GやGPSなど端末を広げながら中国の支配を広げていく。国内においては話語権という自分に有利な言論を広げていくでしょう。西側の国々がインフラ投資の面で中国の代わりができるのか?多くの途上国も債務の罠がわかっているのに中国から借りざるを得ない。住み分けるなら住み分ける、中国のやってることをチェックするならチェックする、その変の切り分けをしっかりしてネパール、パキスタンに寄り添って、日本は何ができるのかアピールすることが求められる」などと述べた。

キーワード
SARSコロナウイルス2インドネパールパキスタン一帯一路中国第5世代移動通信システム
WOW!The World
双子のパンダ生後100日前に公開

韓国で初めて生まれた双子の赤ちゃんパンダが生後100日前に公開された。生まれた時の体重はそれぞれ180グラムと140グラムだったが、今は5キロ超え。名前も発表、お姉ちゃんは賢い宝を意味するルイバオ、妹は輝く宝という意味のフイバオ。名前は公募され70万人あまりが投票した。ママは飼育員の助けを借りて子育て中。一般公開は来年はじめ頃になる。

キーワード
パンダフイバオルイバオ
ダーウィンで「ラクサ・フェスティバル」

濃厚でスパイシーな東南アジアの麺料理ラクサ。オーストラリア北部のダーウィンでレストランが味を競う催しが開かれている。具だくさんの伝統的ラクサはもちろん、ラクサチョコやラクサ入りパン、ラクサのパイまで、ここで食べるため2600キロ以上旅してくる熱心なファンもいる。22日には今年の1杯が発表される。

キーワード
ダーウィン(オーストラリア)ラクサ
Monday Biz
オーストラリア 資源大国が再生可能エネルギーへ急シフト

再生可能エネルギーの分野で世界を主導したいとするオーストラリア。脱炭素化で雇用を創出し、将来的には電気やクリーンな電気で作る水素の輸出を目標にかかげている。南オーストラリア州は電力の7割を再生可能エネルギーでまかなうなど国内で最も導入が進む地域だ。天候などに電力が左右されないよう世界最大級を含む6か所の蓄電施設が設置されている。各国の企業もこぞって投資に乗り出している。プロジェクトの数は56。投資の総額は日本円で2兆円近くにのぼる。日本企業も名乗りを上げ。今年6月、イタリアの企業と合同で太陽光発電事業への出資を表明した。

キーワード
INPEX再生可能エネルギー南オーストラリア州(オーストラリア)
スウェーデン 首都の一部地域 ”ガソリン・ディーゼル車禁止へ”

北欧・スウェーデンからも環境対策の話題。ストックホルム市は2025年までに一部の地域でガソリン車とディーゼル車の乗り入れを禁止する。スウェーデンでは地方自治体が大気汚染対策のために救急車など一部車両を除きEVの通行のみを許可する「環境ゾーン」を設置できる。ストックホルム市はまず中心部の20か所を環境ゾーンに指定し、その後拡大するかどうか検討するというが、運輸業界からは反発の声も上がっている。

キーワード
ストックホルム市(スウェーデン)
IMF・世界銀行 年次総会 焦点の一つ ”改革”

15日に閉幕したIMFと世界銀行の年次総会。焦点の1つとなったのが組織の改革。総会に先立ち、国連のグテーレス事務総長はIMFと世界銀行は先進国よりの組織だと痛烈に批判していた。例えばコロナ禍で先進国がIMFから多額の資金供給を受けたのに対し、途上国には十分に行き渡っていないという主張。これに対しIMFのゲオルギエフ専務理事は資金支援や途上国の発言力の強化など改革断行の決意を強調した。

キーワード
アントニオ・グテーレスクリスタリナ・ゲオルギエバ世界銀行国際通貨基金国際連合
中国 GDP発表へ 不動産市場低迷の影響は?

18日に発表される今年7月から先月までの中国のGDP。気になるのが関連産業も含めるとGDPの4分の1程度を占めるとされる不動産業。企業の業績悪化が深刻化し、影響が懸念されている。今回の発表では市場も去年の同じ時期と比べ伸び率がプラス4%台半ばとプラス6.3%だった前の3ヶ月からの鈍化を予想している。18日当日に詳しく伝える予定。

スマート農業EXPO ”AIに商機”各国スタートアップ

先週開催された「農業EXPO」。海外から100社以上が出展した。農家の高齢化や担い手不足が叫ばれるなか、農薬散布などで貢献する「農業用ドローン」。中国のスタートアップによるドローンの最大の売りは人が操縦することが難しいでこぼこした傾斜地でもみずから障害物を避けて農薬を散布することができる。それを可能にしているのがAI。これまでは主にブラジルなど山間部にコーヒー豆や果樹の広大な農園がある国で業績を伸ばしてきたが、今回日本の茶畑や果樹園でも役立つことをアピール。気候変動や人口増加で心配させる食糧不足の問題もスマート企業の機運が高まっている理由の一つだ。期待されているのが野菜などの植物工場の技術。シンガポールの植物工場では栽培に必要なトレーの移動などをAIロボットが制御している。韓国のスタートアップは植物ごとにそのときの成長過程で最も理想的な光をAIがリアルタイムで調整するシステムを開発した。実験では生産量が3倍に増えるケースもあったという。スマート農業に詳しい北海道大学大学院 農学研究院の野口伸教授はAI導入の課題について「(1)地域ごとのAI学習。農業は地域ごと、作物ごとにチューニングが必要。(2)農業を知る人との連携。AI事業者が現場を知ることでより成果を上げられる」と指摘。

キーワード
YouTubeスマート農業ブラジル北海道大学千葉県千葉県日本コンベンションセンター国際展示場国際次世代農業EXPO野口伸
(ニュース)
18日から北朝鮮訪問

ロシアと北朝鮮をめぐっては先月、プーチン大統領と金正恩総書記が首脳会談を行い、協力関係を強化していくことで一致していた。ラブロフ外相はウクライナへの軍事侵攻を受けて対立を深めるアメリカなどを念頭に軍事分野やエネルギーなど経済分野での具体的な協力について話し合うものとみられる。北朝鮮は2回連続で失敗している軍事偵察衛星の3回目の打ち上げを今月中に実施すると予告していて、韓国メディアはロシアから技術支援を受ける可能性を伝えている。

キーワード
ウラジーミル・プーチンキム・ジョンウンセルゲイ・ラブロフロシア連邦外務省北朝鮮朝鮮中央テレビ
”日本産水産物の輸入規制 中国措置に参加”

東京電力福島第一原子力発電所で発生する処理水の海への放出をめぐり、ロシアの衛生当局は16日、日本産の水産物の輸入を規制する中国の措置に16日から参加すると発表した。それによると水産物の安全性などの必要な情報がロシアの衛生当局に提供され分析されるまでその制限を行うとしている。ロシアの衛生当局はこれまでは日本産の水産物や加工品について検疫や流通管理の強化などを発表していた。ロシアの衛生当局は先月、日本産の水産物の供給について中国が実施している規制に加わる可能性を検討していると表明した。

キーワード
福島第一原子力発電所
経済情報

株と為替の値動きを伝えた。

キーワード
ニューヨーク株式市場
(エンディング)
あすは…

犠牲者が増え続けるウクライナで始まったあるプロジェクトについて亡くなった人一人ひとりに焦点があてられる機会が減るなか、犠牲者の記憶をネット上に残そうという試みも進められている。

エンディング

エンディングの挨拶をした。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.