- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
オープニング映像。
「ケニア就職難 若者がロシア戦闘員に」「アメリカ相互関税裁判 30兆円超、企業に還付?」「フィリピン介護施設 日本式自立支援」「ガザ事務所通信 義足待つ子どもたち」
今年7月以来行われていないロシアとウクライナの直接協議。20日、ゼレンスキー大統領からは「ロシアを加えた3か国の高官協議をアメリカから提案された」と明かした。一方20日、アメリカと協議を行ったロシアのドミトリエフ特別代表は「競技は建設的に進んでいる。順調だ」などと繰り返しコメントしている。和平案についてロシア大統領府のウシャコフ補佐官は「建設的ではない」と述べ「アメリカ側から示された案の多くの部分はウクライナとヨーロッパの主張に沿うものでロシアにとって受け入れられないだろう」という見方を示した。ドイツZDFは「ロシアが言う建設的は会談後の常套句で最終的な成果はほとんどない」と報告。またウクライナ公共放送は専門家が「この交渉はウクライナにとってなんの利益にもならない」と分析を伝えている。和平案を巡る協議の一方、22日モスクワ南部の住宅地にある駐車場で乗用車が爆発しロシア軍の幹部が死亡したと発表した。ロシア連邦捜査委員会は車の底に設置された爆発物が爆発したとしていて、ウクライナ軍の特殊部隊が関与した可能性を含め事件の背景を調べている。
先日、番組ではインド人の労働者が出稼ぎのためロシアに渡航したところウクライナの前線に送られ命を落とした事例を伝えた。ただ、実はアフリカでも若者たちが前線に送り込まれるケースが相次いで報告されている。ウクライナのシビハ外相は「先月少なくとも36のアフリカの国々から1436人がロシア軍に参加している」とSNSで明らかにした。
200人以上がロシア側に渡ったとされるケニアからの報告。息子をウクライナの戦闘で失ったと訴えるスーザン・クロバさんがその経緯について語ってくれた。日雇い労働の日々から抜け出そうとしていた息子のデビッドさんは「警備の仕事で出稼ぎに行く」と話していたがその後の連絡でロシアの戦闘員として戦っていることを明かした。スーザンさんは、息子が砲撃に巻き込まれ死亡したことを同じくケニアから派遣されていた息子の仲間から今年10月、知らされた。しかしデビッドさんの安否についてケニア政府に問い合わせているもののいまだに正式な通知はなく、遺体の返還についてもなんの返答もないという。
ケニアの首都ナイロビにある最大のスラム街「キベラスラム」で前線から逃れてきたという20代の若者に接触、身元を明かさないという条件で戦場の様子を詳細に話してくれた。地元で大工の仕事をしていたという男性は安い給料に不満を募らせ、今年9月すでにロシア入りしていた友人の紹介で仲介業者に連絡を取った。友人からは、戦場に行く可能性を伝えられていたが彼が受け取っていた毎月日本円でおよそ23万円という非正規雇用の労働者が受け取る金額のおよそ7倍もの報酬は魅力的だったという。ロシアで3週間程訓練を受けたあとウクライナ東部ドネツク州の激戦地に送られたが、彼が戦場で見た光景は、想像を絶するものだった。部隊を構成するのはロシア人とケニア人そして、ナイジェリア人の合わせて7人。絶え間なくドローンが攻撃してくる前線で地雷原を突き進んだ。その次に配属された部隊でトラックで移動中、隙を見てトラックの荷台から飛び降り逃げ出した。夜通し9時間近く歩いたあと小さな町にたどりつきそこでタクシーを捕まえてモスクワへ移動。ケニア大使館に逃げ込んだところ自分と同じような経験をした若者がいたという。
ケニア外務省は200人以上のケニア人がロシアの戦闘員として参戦していることを認めているものの詳細については、今のところ取材に回答していない。ケニアの若者がウクライナの戦場で命を落とす問題は大きく報道され当局は、一部の人材派遣会社の関係者を拘束するなど再発防止に取り組む姿勢をアピールしている。ただ、若者の失業率が60%を超えるとの指摘もある中戦場への出稼ぎは一部の若者たちにとって魅力的なことも事実。アフリカの若者が直面する苦境につけいるロシア。戦闘員の確保を巡る闇の深さが浮き彫りになっている。
ヨハネスブルク支局の宮内篤志支局長による解説。アフリカの若者たちが戦場に誘い出される理由は経済的な事情以外にも戦場で何が起きているのかということへの理解が十分でないことも一因だという。取材では現地に行った友人などを通じた、いわば、口コミを信じて仲介業者を紹介してもらい渡航のための手続きを進めていたと話す若者が多く、安易にロシアに渡航したという印象は否めないという。また、取材した若者は「当初はゲームのようなものだろうと考えていた」と自分の考えが甘かったことを認めている。一方、仲介業者に何人か接触を試み話を聞いたところ「私たちのバックには警察もいる。だから安心なんだ」と話していた。当局の中ではびこる汚職や腐敗がずさんな出入国管理につながっている可能性がある。
取材したケニアの若者の話によると、ケニア以外にもナイジェリアやネパールメキシコからの参加者も目撃したと証言している。南アフリカでも先月、ロシアの戦闘員として戦いウクライナ側の捕虜になった若者たちが救出を求めたことが大きなニュースになった。ロシアが幅広く戦闘員を勧誘している実態がうかがえる。そもそもアフリカの国々では就職難などから、出稼ぎに活路を見いだそうとする人が多いのが実情だ。よりよい収入を求めて海外に職を求める中ロシアにとっては勧誘しやすい条件が長引く戦闘の背景にはこうした途上国の若者の存在があることも忘れてはならない。ウクライナ侵攻は世界の貧富の格差のひずみまで突きつけている。
軍事衝突が再燃したタイとカンボジアでは双方で60万人以上の住民が避難生活を余儀なくされる中、マレーシアの首都クアラルンプールでASEANの特別外相会議が開かれた。タイとカンボジアの代表も出席する中マレーシアのモハマドハサン外相は10月の和平合意を守るよう両国に呼びかけた。会議後に記者会見したタイのシーハサック外相は防衛当局者による話し合いが24日に行われる予定となるなど、カンボジア側と停戦に向けた協議を再開することで一致したと明らかにした。タイとカンボジアの間では今月に入って軍事衝突が続いている。アメリカのトランプ大統領は12日に両国の首相と電話で会談し「両国は攻撃を停止し当初の和平合意に戻ることで一致した」と発表したが、戦闘は収まっていない。
日本をはじめ世界各地から観光客が訪れる世界遺産、アンコールワット。観光客は軍事衝突が始まった今年7月以降、去年と比べておよそ2割減っている。タイとカンボジアの戦闘が続く中、観光客からは懸念の声も上がっている。カンボジア政府は15日、世界遺産のアンコールワットがあるシェムリアップ州にもタイ軍による空爆があったと発表した。空爆があったとされる地点は国境から数十キロ、世界遺産アンコールワットまでは約60キロの距離にある。現地ではこれから年末年始にかけて観光のピークを迎えるが、20年程前から営業する日系の旅行会社では年始までの予約が50件以上キャンセルされたという。西村清志郎代表は「1年通して一番の稼ぎどきを失った」と話しており、損失は少なくとも1000万円に上る見通しだという。一方、取材班がアンコールワットから車で、およそ1時間離れた同じ州内の国道を走っていると国境付近での戦闘から逃れようと避難者が次々と押し寄せていた。カンボジアでは50万人以上が避難を余儀なくされているということだ。別の避難所では仏塔の周りに多くの避難者が集まって平和への祈りをささげていた。一方、タイ軍は空爆について法の支配を順守し民間人を標的にすることはないとしていて、逆にカンボジア軍の民間地域への攻撃でタイ側で16万人以上が住まいを追われたとしている。戦闘によって日常の暮らしが奪われたカンボジアとタイの人たちは再開で一致した停戦協議の行方を固唾をのんで見守っている。
トランプ関税などの相互関税の合法性を問う最高裁判所の判断が近く示される見通し。焦点は相互関税などの根拠とした法律が大統領に与えられた権限を越えているかどうか。違法と判断されればこれまでに徴収された30兆円超を企業に還付される可能性がある。最高裁の口頭弁論で判事は課税権は憲法上、議会に付与されているなどの指摘が相次ぐ。欧米メディアは政権側が敗訴する可能性があると伝えている。大手弁護士事務所で増えているのが支払った関税をどう取り戻せるかといった問い合わせ。貿易専門の弁護士のリチャード・モヒカさんはアメリカ国外の企業も対象になる可能性がある。請求件数、請求者の数は膨大でほかのいかなる事例よりも大きくなると述べる。前例のない裁判であることからもし違法と判断されても企業が確実に還付を受ける方法などは誰も把握していないと指摘。コストコは先月、国際貿易裁判所へ提訴。背景にあるとみられるのが税金の還付をめぐる過去の裁判で示された裁判を起こした原告にのみ自動的に還付されるという判断。もう一つは還付を受けるための税関当局への手続きに向けた準備。ベビー用品を販売する企業では自社製品を中国の工場で生産し輸入、全米で売上を伸ばしてきた。関税措置によって事業環境は一変。ベス・ベニキCEOは7月の請求書をみれば、20%は薬物流入を理由にした関税、10%は相互関税。合わせて約540万円の関税になると述べる。支払った関税は合計で600万円以上。今は関税の支払いを割けるため大きく輸入を減らしている。その分売上はピーク時の半分以下にまで急減した。現在、還付手続きの書類の準備を進めている。仮に関税が撤廃されれば中国に留め置く在庫を一気に輸入する計画だという。日系企業の間でも住友化学やリコーなどの現地法人が関税の還付を求めてすでに訴えを起こしている。最高裁の判断について、ベッセント財務長官は年明け早々になるとの見方を示している。
ヨーロッパ中央銀行は法整備を前提にデジタルユーロを2029年にも発行する方針。試験運用に向けて来年初めにも決済事業者の募集が始まる見込み。動きが本格化している。ラガルド総裁はわれわれの目標はデジタル時代において金融システムの安定の基盤となる通貨をつくることだと述べる。デジタルユーロとはECBが発行し金融機関などのアプリなどを通じて利用することを想定。支払いや送金などの手数料はゼロ。オフライン状態での決済機能を検討。導入の背景にあるのがユーロ圏での支払い手段にある。2016年には現金が54%、カードが39%、2024年にはカードの割合が45%と現金を上回る。ヨーロッパ以外の事業者への依存度の高まりが問題視されている。ユーロ圏で決済を完結できるデジタルユーロの導入を後押ししている。第一生命経済研究所の田中首席エコノミストはヨーロッパではアメリカのビザやマスターカードなどを使うケースが多く、独自の決済システムを持ってない国も多い。戦略的自立や経済安全保証の観点からもデジタルユーロは重要な取り組みだとみられると指摘。
フィリピンでの高齢化社会を見込んで日本の企業が施設を開業した。日本式のデイサービスなどを提供する。営業時間は午前9時から午後4時まで。18人の高齢者が介護サービスを受けている。夫が施設を利用している女性はほかの利用者の方が楽しんでいるのをみて夫も楽しんでいると述べた。フィリピンでは経済や医療の発展で平均寿命が伸びた。2030年までの20年間で男女とも7歳伸びると推計されている。こうしたなか、この施設が取り組むのが日本式の自立支援。この施設ではできるだけ自分の力で食べたり歩いたりできるようサポートする。介護関連会社の増田社長は寝たきりの人がたてるようになったり歩けるようになったりこの辺が日本の介護の力。笑顔の広がりとともにフィリピンにも広げていきたいと述べた。住民からのニーズがあればさらに施設の数を増やすことも考えているという。
ポルトガルでサーフィン大会が行われた。イギリス出身のクレイさんは大波に乗りながら失敗しないようにと願ったと述べた。波を降りた瞬間涙が溢れたという。波の高さは最大22 mほど。女性による世界記録になるかもしれない。
フランス南部のショッピングセンターは大賑わい。施設では警備員を増員。警備室では店内の映像をチェック。突然、駐車場から応援要請。場所取りをめぐる客同士のいさかいで警察も呼ばれた。もう一つの懸念は万引き、警備員と予備役の憲兵隊が巡回。万引きで捕まった女性は店の裏へ。商業施設の書き入れ時、多くの人に来てもらうためにも安全、安心の確保は欠かせない。
ニューヨークで結婚式をあげたカップル、飼い犬のウォーリーが前足で証人の印を押す。新郎と一緒にゲストを迎え、犬用のウェディングケーキをパクリ。新婚夫婦と一緒にダンスも。この日の主役は新郎新婦ではなくワンちゃん。注目されて疲れたのか最後は居眠りしていた。
アメリカの特使はガザ地区の復興や治安の維持などを担う機関の早期設立に向けて関係国と協議したことを明らかにした。イスラエルとハマスの間ではトランプ大統領の主導で停戦合意。ハマスが残る人質1人の遺体を返還すれば和平計画の第2段階に移行することになっている。アメリカのウィトコフ特使は仲介国のエジプト、カタール、トルコの代表と計画の第2段階への移行に向けて協議したと明らかにした。発表では復興、治安の維持など全般的な統治を担う平和評議会の早期設立を支持。復興に向けてインフラの整備や資源確保についても話し合う。来週にはイスラエルのネタニヤフ首相がトランプ大統領と会談する予定。第2段階にはハマスの武装解除、イスラエル軍の撤退範囲拡大などイスラエルとハマス双方が否定的な項目も盛り込まれていて交渉は難航することが予想される。
雨の多い冬を迎えた。10日以降の大雨や強風で2万7000以上のテントに被害。イスラエル軍の攻撃でもろくなっていた建物が倒壊、2人が亡くなった。建物倒壊は13件、大雨や寒さで死亡したのは13人。おいを亡くした男性はテントも重機も物資もないからだと述べる。
義肢装具専門病院のハマド病院では物資の搬入制限が続き、義肢の製作に必要な部品が全く届いていない。戦闘が続いた2年間に手や足を失った人は約6000人。その25%は子どもだという。この病院では200人以上が義足を待つ。義足を待つアスマ・アブガリバさんはことし6月、自宅が攻撃を受け右脚の大部分を失った。姉の助けを借りながら避難生活を送っている。アスマさんは夜10時ごろ座っていると突然、意識を失った。目覚めると病院でミサイル攻撃を受け右脚を失ったと言われた。きょうだい4人と父がなくなりましたと述べる。定期的に病院を訪れ状態を確認している。来月ようやく義足を受け取ることができる見込み。アスマさんは歯医者になりたい。戦争前からの夢出し絶対に諦めないと述べる。NHKガザ事務所のサラーム・アブアホンは今は停戦中だがとても不安定。それでも少しずつ生活は動き始めていると述べる。
