2026年3月10日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 中国 若者雇用課題で新ビジネス

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 齊藤貢 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

視聴者からの声

アメリカ・イスラエルとイランの攻撃の応酬についての視聴者の意見を紹介。

(ニュース)
ハメネイ師の次男 イラン “モジタバ師を最高指導者に選出”

イランの国営テレビなどはイランの最高指導者を決める専門家会議がハメネイ師の次男のモジタバ師を後継の最高指導者に選出したと伝えた。さまざまな臆測が飛び交う中イランのアラグチ外相が8日、放送されたアメリカNBCテレビのインタビューで「我々は誰の内政干渉も許さない。指導者を選ぶのは国民だ」と述べていた。後継者の有力候補の1人として繰り返し名前が挙がってきたモジタバ師。公の場に出ることは少ないと伝えられこれまで公職に就いたこともない謎に包まれた人物だ。アメリカのトランプ大統領はモジタバ師を「軽量級の人物だ」とし選出されたことに不満だと述べたとFOXニュースが伝えた。1969年ハメネイ師の次男としてイスラム教シーア派の聖地マシュハドで生まれたモジタバ師はイランの軍事精鋭部隊革命防衛隊や治安維持を担う民兵組織バシジとつながりが深いとされている。アメリカ財務省は革命防衛隊の司令官などと緊密に協力し国内の抑圧的な政策や中東地域の不安定化に関わってきたとして2019年に制裁対象に指定。先月の攻撃で父ハメネイ師の他、母や妻なども失ったと伝えられている。モジタバ師の最高指導者選出を受けイラン国内から祝意が示された。革命防衛隊は「新たな夜明けだ。モジタバ師の命令に全面的に服従しイスラム革命の価値を守る」などという声明を発表している。ペゼシュキアン大統領もイラン大統領府のSNSで「新たな尊厳の時代が到来し国家の権威を約束することになるだろう。国家の団結を強固なものにする決意の表れだ」としている。モジタバ師についてスペインのTVEは「大勢は屈しないという国内外へのメッセージ」と伝えている。

アメリカ・イスラエルとイランとの攻撃の応酬は続いている。イスラエル軍は8日、イランの首都テヘランなどで大規模な空爆を続け治安機関の弾薬庫およそ50か所の他、治安機関の司令部などを空爆したと発表した。また7日にも大規模な空爆を行いテヘランにある複数の燃料の貯蔵施設や中部イスファハンの空港にあったF4戦闘機を攻撃したと発表。一方、イランのペゼシュキアン大統領は7日テレビ演説で近隣諸国に謝罪する声明を出したが、その後もイランによる湾岸諸国に対する攻撃が続いている。バーレーンの保健省は9日未明に起きたイランの無人機による攻撃でこれまでに32人がけがをしたと発表。またクウェートの国営メディアは政府機関の庁舎が攻撃を受けたと明らかにした。サウジアラビアでは8日、首都リヤド近くの住宅地で爆発が起き2人が死亡。CNNテレビは一連の攻撃の応酬が始まって以降サウジアラビアでは初めての犠牲者になると伝えている。

攻撃の応酬が長期化し原油の安定供給への不安が一段と強まっている。イギリスのフィナンシャルタイムズはイラン情勢に伴う原油価格の急激な上昇に対応するためG7=主要7か国の財務相らが9日に緊急で会合を開きIEA=国際エネルギー機関の加盟国が備蓄する石油を市場に放出する可能性について議論すると報じた。ホルムズ海峡が事実上封鎖される事態となる中、8日のニューヨーク原油市場では国際的な取引の指標となるWTIの先物価格が一時1バレル=119ドル台まで上昇した。IEAの加盟国はウクライナ侵攻が始まった2022年に高騰した原油価格を安定させるため協調して石油備蓄を放出している。

イラン南部の学校攻撃に新情報

イラン南部の小学校が攻撃された事態について新たな情報が入っている。この軍事衝突が始まった先月28日イラン南部の小学校が攻撃されて児童と教師170人以上が死亡した。これについてトランプ大統領は7日、次のように話している。一方で国際的な調査報道グループ「ベリングキャット」のメンバーは攻撃時の映像からアメリカによる攻撃が原因だったと発表した。映像を静止画にしたところ、着弾したミサイルがアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」だった。攻撃が行われた場所には革命防衛隊の施設が学校と近接していた。ニューヨークタイムズなどアメリカのメディアは一斉に、この分析を伝えて子どもたちの死亡はアメリカによる攻撃が原因だったと報じている。

解説 モジタバ師選出 今後の展開は

元駐イラン大使の関西学院大学・齊藤貢客員教授に、今後の展開について話を聞いた。イランの新たな最高指導者に選ばれたモジタバ師について、齊藤教授は「一般的な理解としては、影の実力者と言われていた。所員5000人を抱えるハメネイ師の個人事務所の所長。いまイランの中で1番力があるのは革命防衛隊で、次期指導者は革命防衛隊が推す人でなければならなかった。ハメネイ師の時代はかろうじてハメネイ師が革命防衛隊を抑えていたが、モジタバ師が抑えることは難しいだろう。イランはいま面子が潰された状態。当面はある程度アメリカのダメージを与えて、面子を回復しないといけない。その後にどこかの段階でアメリカとの関係改善に踏み切るのではないか」などと語った。

ホルムズ海峡周辺でタンカーへの攻撃が相次いでいる。イギリスなどに拠点があるコンサルティング会社によると、戦争による船舶被害を補償する「船舶戦争保険」の保険料が軍事作戦前を比べ4~6倍に高騰しているという。戦争リスクの補償は通常船の価格の0.25%ほどだが、現在は1%以上になっている。1億ドルの船舶の場合、1億5,000万円以上になる。「マーシュリスク」船舶保険担当のディラン・モーティマーさんは「さらなる損害が出た場合、保険料は上昇し続け運航コストに圧力がかかる」としている。ホルムズ海峡の状況が今後の経済に与える影響について、齊藤教授は「海峡経由で90%の原油を輸入している日本への影響は避けがたい。イランは原油価格を引き上げることで、中間選挙を控えるトランプ大統領に圧力をかけている」などと語った。高市首相はアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃について、「法的評価を行うことは困難だ。国益を最大限考えながら判断している」としている。この発言の真意について、齊藤教授は「いまこの状況下でトランプ大統領との関係を悪化させるのは望ましくないというのは、常識的な判断だと思う」などとコメント。

イランのペゼシュキアン大統領は7日、「近隣諸国に謝罪する。近隣諸国にイランを攻撃する意図がない限り、これらの国への攻撃は行わない」と発言した。しかしイランから周辺国への攻撃は続いている。齊藤教授は「いまのイランは革命防衛隊がすべてを仕切っており、大統領の発言は調整済みのもの。これは謝罪ではなく『米軍に基地を貸すな』という脅し。警告に従わなかったためやむなく攻撃しているのだと、立場を正当化する発言だろう。中東諸国は自国を守るために米軍を受け入れたのに、米軍がいるが故に攻撃されている状況。イランは武力衝突では叶わないので、間接的にアメリカに圧力をかけている」などと語った。この週末にかけて攻撃は民間のインフラ施設に及んでいることについて、齊藤教授は「いま第三段階に来ている。イラン側は国内の治安体制を維持していれば、米軍は地上戦をしないだろうと思っている。アメリカ側はならばと国内の治安体制を破壊することで、体制が自壊することを狙っている。民間のインフラ施設を壊すと国民の生活に支障が出るため、国民が立ち上がることを期待している。しかしかえって愛国心が高まることもある」などとコメントした。

カナダ カーニー首相 単独インタビュー

今年1月のダボス会議で演説しトランプ大統領と対峙する姿勢を印象付けたカナダのカーニー首相が、訪日に際しNHKの単独インタビューに応じた。ダボス会議での演説について、カーニー首相は「私が述べたことは人々がすでに考えていたものだが、世界の指導者が訴えるのを耳にしたことがなかった。『ミドルパワーの結束』は、すべての国がひとつになることを期待しているものではない。新たな主要国グループのような連合体を作るものでもなく、『価値観を共有する国々で分野ごとに連携すれば、より多くのことを成し遂げられる』ということ。そうした連合体を形成すればするほど、国家としての多様性や強じんさが増す」などと述べた。イランへの軍事作戦については、「イランの非核化を支持する。長年にわたるテロ支援を軍事行動で終わらせることを支持する。しかし他国同様、カナダも事前に相談はなかった。われわれは軍事行動の当事者ではない」などと語った。また対トランプ政権については、「最も重要なのはアメリカの行動にただ反応するのではなく、われわれの価値観に沿って積極的な選択をすることだ」などと述べた。またトランプ大統領が後ろ向きなクリーンエネルギーの活用をめぐっても「日本と前に進めていく」と強調した。カーニー首相は「今実行しておけばより有利な立場に立てる。アメリカを待つことはない。私たちに歩み寄る時に備えればいい」などと語った。

現実見据える「リアリスト」/“現実路線” イラン情勢では

カナダのカーニー首相にインタビューしたアメリカ総局の森健一記者は、「現実を見据えるリアリストの顔がはっきりと見えた。ミドルパワーを束ね上げようとしているのではないということ。多国間の交渉の場が機能しない以上、分野ごとにミドルパワーの各国がそれぞれ連合体を組んで対応するという考え方は、現実路線の現れ。政策の根底にあるのは、安全保障と経済の両面で過度なアメリカ依存から脱却するということ。カナダは先月国内の防衛産業を育成するための戦略を初めて作成し、すでにロケット開発や通信システムなどのスタートアップ企業が次々と立ち上がっている。イラン情勢についても、現状では自分たちでコントロールできることは少ないという現実に向きあっている。『子どもたちの世代に今の世界をこう変えるべきだと伝えるとすればどういう内容になるか』と尋ねると、首相は『互いの関わり方を深めていくという理想論の後に、平和を維持するためには抑止力となる力も必要だと伝えていく』と答えた。発展途上国のような持たざる国にどう向き合うかを問うと、首相の答えは『ミドルパワーが示す道を他の国々が手本にして、公平で公正な仕組みを再び築き上げていくことになる』というものだった。現実に適応することを土台にしつつ、理想も説く。カーニー首相の言動は今後も世界の向かう先を読み解く上でヒントになる」などと語った。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
中国 厳しい雇用 若者に新たな動き

先週から全国人民代表大会が開かれているが、強調された政策の1つが雇用の安定。中国では今年大学などを卒業する人は1270万人と過去最高を更新する見込み。しかし景気の減速を受け、企業は採用を控える傾向にある。上海市の就職説明会に多くの人が集まっている。中国の若者の失業率は16.3%。新たな働き方が注目を集めている。去年は1400万人の若者がアプリでサービスを売り込んだという。アプリでペットシッターを始めた女性。時にはトカゲやヘビの世話をすることも。人材紹介会社で働いていた女性、おととし景気減速の影響で失業したという。多くの人が旅行で家を空ける春節の時期には1日20件以上まわることも。収入は不安定。フルタイムの仕事を探すつもりだが簡単ではないという。一方、人手不足が課題の業界で仕事を見つけようという動きも、ハルピンの葬儀会社だ。中国で去年1年間に亡くなった人は1100万人余、将来は1800万人に増加と見込まれている。

「大学卒業、即失業」/“AIの発展”も影響?

ことし大学などを卒業する人は1270万人(見込み)。10年前から500万人増。「大学卒業、即失業」とも言われる。副業アプリを利用する人やフードデリバリーや配車サービスの運転手などフレキシブルワーカーは2億人以上。収入が不安定、社会保障が十分でないといった課題も少なくない。中国政府が重視するのは新興産業を発展させること。新たな仕事や就職先を育てること。今回の全人代の政府活動報告でも、言及している。雇用の安定を重視。一方でAIを搭載した人型ロボットなどを戦略産業と位置づけている。官民をあげて加速。多くの雇用が奪われるのではといった指摘も。技能訓練や新たな仕事の創出に力を入れるとしている。

Monday Biz
中国 富裕層も節約志向

中国、景気減速傾向が強まっている。総資産が2億3000万円以上の富裕層を対象に行なった調査。経済信頼感指数。不動産不況が顕著になった2023年から4年連続で低下し、2010年以降最低。富裕層の節約思考は強まっていて、一昨年と比べて高級時計は14%、宝飾品は8%など大幅に消費が減少。全国人民代表大会では内需の拡大が重要項目に挙げられている。

アメリカ “ガソリンが高い!”

先週6日、ニューヨーク市内のガソリンスタンドでは1ガロン、3ドル35セント。アメリカ自動車業界によると8日時点のレギュラーガソリンの平均販売価格は2024年8月以来約1年7か月ぶりの高水準。航空機向けのジェット燃料も大幅に上昇していて大手航空会社の幹部が運賃に近く反映されるとの見通しを示したという。インフレが再加速するとの懸念が強まっている。

WOW!The World
ワンちゃんと一緒に乗車

香港のとある駅に集合したワンちゃんたち。ペットの同伴が原則禁止されている香港の地下鉄で、この日だけ特別に許可された。ペットのいる暮らしを後押ししようと鉄道会社が動物愛護団体に協力。参加者今後、こうした機会が広がることを期待している。行き先は香港ディズニーランド。

トルコ 走る列車の上に着陸・離陸

世界初、イタリア珍パイロットが走る列車の上に飛行機を着陸させ、さらに底から離陸するという偉業を成し遂げた。2年間訓練したという。

ドイツ ケガした海鳥が病院に

ドイツにある病院の緊急外来に海鳥が助けを求めている。くちばしに釣り針が刺さっている。病院のスタッフが消防隊の助けを借りて鳥を保護、釣り針を取り除いた。治療を受けた海鳥は無事野生へと戻された。

(エンディング)
皆さんの声 募集中

QRコードから皆さんの声を募集中。

あすは

あすは、バングラデシュ・パキスタン両国接近の行方は。長年冷え込んでいた両国が接近し、経済や教育で新たな動きが生まれている。

1 - 2

© 2009-2026 WireAction, Inc. All Rights Reserved.