2025年5月3日放送 21:05 - 21:55 NHK総合

太陽の塔 消えた顔を追え

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(オープニング)
太陽の塔 消えた顔を追え

1970年の大阪万博で岡本太郎が作った太陽の塔には、4つの顔があった。地下に置かれた第4の顔は、半世紀前に忽然と姿を消した。幾度も調査が行われてきたが、今も行方が掴めていない。

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オープニング

オープニング映像。

(太陽の塔 消えた顔を追え)
第4の顔 地底の太陽

4月13日に大阪・関西万博が開幕した。158の国と地域が参加し「いのち輝く 未来社会のデザイン」をテーマに掲げている。プロデューサーの福岡伸一は、パビリオンの制作とは別に、行方不明になっている地底の太陽の発掘プロジェクトを進めてきた。番組にその構想が知らされたのは2021年だった。太陽の塔の地下空間にあった全長11メートルの展示物だったと言われている。万博記念公園事務所では、図面も管理の記録も見つからなかった。

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行方に関する情報

万博会場で働いていた桑田さんは、閉幕から2年ほど後に神戸市立王子動物園で地底の太陽を目撃した。動物園の外側のフェンスに展示されていた。元園長の権藤さんは当時、野ざらしの木の箱の中に太陽の塔の顔が入っていると聞かされていたという。そして、いつの間にかなくなっていた。万博閉幕後、展示物は廃棄されるか関係者に譲渡され、太陽の塔も当初は撤去予定だった。永久保存が決定したのは閉幕から5年後のことだった。兵庫県元職員の深井さんは、動物園の一角にあった職場の建物で細長いものがシートにくるまれているのを目撃し、先輩社員からは太陽の塔に関連したものだと聞かされていた。1981年に部署が別の場所に移転した時には、すでになくなっていた。兵庫県の職員として地底の太陽の調査を行っていた藤井さんは、そのへんの原っぱにビニールシートをかけて置いてあった、世代が変わるにつれて忘れ去られ産業廃棄物として処分されてしまったのではないかと話した。

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万博に対するアンチテーゼ

福岡は行方捜しと並行して岡本太郎の足跡を辿った。岡本太郎は当時縄文時代に関心を寄せ、現代人が失った生命のほとばしりを見出していた。太陽の塔には万博に対するアンチテーゼが埋め込まれていた。大阪万博が掲げたテーマは「人類の進歩と調和」。丹下健三が設計した大屋根は、万博を象徴する展示とされた。丹下は地上30メートルの高さに空中未来都市を作ろうとしていたが、岡本は設計案を見て闘争心が掻き立てられた。太陽の塔は大屋根を突き破って屹立していた。塔の地下には、世界各地の神の像や仮面が飾られた中心に地底の太陽が鎮座していた。岡本太郎の研究者は、地底の太陽にこそ太陽の塔の最も重要なメッセージが込められているとした。万博では、地底の太陽に触発されたかのような事件が起きた。太陽の塔の目玉に20代の男が立てこもり、万博中止を叫んだ。当時は万博反対を訴える抗議行動が各地で行われており、反博という言葉も流行していた。岡本は、一番の反博は太陽の塔だと話している。

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新たな動き

2022年7月、地底の太陽の調査に新たな動きがあった。夢洲の産業廃棄物処理場に埋められている可能性を考えた福岡は、夢洲に保管されていた内部資料の閲覧に訪れた。埋め立てが始まったのは1985年で、地底の太陽が廃棄されたと考えられる時期から5年も後だった。福岡は、どこかに保管されていてここに捨てられたことは考えにくいと話した。調査は振り出しに戻り、福岡はパビリオンの準備でも迷っていた。2024年4月には開幕1年前イベントが行われ、8人のプロデューサーが集まった。

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死への祈り

万博記念公園の事務所が保管する資料を改めて調べ直すと、これまでないと言われてきた当時の図面が見つかった。見つかった図面は計3枚で、寸法や材質などの情報が書き込まれていた。設計図の中には「いのり」という言葉が見つかった。福岡は、岡本太郎が2度訪れ「生命のノスタルジアを覚える」と書き残した沖縄の久高島へ向かった。島に点在する御嶽と呼ばれる祈りの場で、心を揺さぶられたという。島ではかつて、死者は風葬で送られてきた。朽ちた遺体は自然に還り、再び新たな生命へとつながる。福岡は、地底の太陽の祈りは死への祈りだったのではないか、生と死が対比されているところにいのちの輝きがあると話した。

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布施畑環境センター

4月13日に大阪・関西万博が開幕し、健康・長寿の最新技術が披露された。福岡は、パビリオンで「いのちは有限だからこそ輝く」と掲げた。地底の太陽の行方捜しは最終局面を迎えようとしていた。神戸市で廃棄物の収集運搬にあたる業者の団体の担当者は、当時地底の太陽が市内で廃棄されたとしたら布施畑環境センターしかないと断言した。過去の処分記録から埋まっているエリアはおおよそ特定できた。福岡は、地中を探査する専門家と手を組んで、地底の太陽を掘り起こそうとしていた。神戸市環境局の山田さんは、大きいものは受けておらず必ずバラバラにして入っている、粉々になっている可能性もあると話した。福岡は、死への祈りを捧げるのに最もふさわしくない場所で打ち捨てられてしまっている、非常に無惨で無念な状況だと話した。

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