2024年4月20日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【春のアート旅(3)松本城と珍しいレトロ建築巡り】

出演者
 - 
(オープニング)
今回は…

今回は松本城と珍しいレトロ建築巡りをお届け。

キーワード
マエストロ・オザワ80歳を祝う会実行委員会倉方俊輔松本城松本市(長野)田中道子
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
国宝「松本城」×田中道子

長野県松本市にやってきたのは田中道子。国宝の松本城にやっきたが黒門を通って本丸へ。見えてくるのが白と黒のコントラストが美しい天守。戦国時代に秀吉の家臣の石川数正の息子の康長が建てた。現存する五重六階としては日本最古。五塔の建物からなる松本城の天守は連結複合式と呼ばれる。四季折々、見る角度によって変わる表情も味わい深い。赤い欄干をもつ櫓は松本城の秘密がある。その中の一階を支える柱は89本あり創建当時のもので手斧で削った貝殻状の模様が美しい。松本城は鉄壁の守りを誇る城。弓や鉄砲を放つための狭間は、全部で115箇所。1間感覚で配置することで左右の死角をなくしている。さらに石垣を登って侵入する敵を攻撃する石落としという仕掛けも完備。赤い欄干のある月見櫓は江戸時代に建てられという、月見櫓と辰巳附櫓は、江戸時代のはじめに松本を治めた松平直政が将軍の家光に風流を楽しんでもらおうと作り上げたもの。その時代の平和な象徴だった。泰平の世には頑強な建築はいらず、戸を開け放つことが出来る書院風のつくりで。欄干の先を反らせた刎勾欄や、船底型の天井など優雅な雰囲気。

キーワード
徳川家光松平直政松本城松本市(長野)石川康長石川数正黒門

田中道子が向かったのは松本城から歩いて10分の場所にある中町通り。善光寺街道沿いに商店が集まるエリアで江戸や明治の耐火を経て取り入れた火災に強いなまこ壁の土層が美しい通り。独特な趣きの建築は松本の街に点在している。普通の木造家に建築の正面に手の込んだ装飾が施されている。この造りは重厚に見えるが、石に見せた洗い出しという左官の技。種石と呼ばれる砂利を石灰を混ぜた材料を下地のモルタルに塗り重ねて小手でならしていく。材料が乾ききらない適切なタイミングでブラシなどで洗い流すと種石のあたまが浮き出て天然石のような表情に。模様をつけたい場合はあらかじめ埋め込んでいた目地棒を材料が乾いてから外して施す。職人技で様々な風合いを出すことができるのが看板建築の特徴。ミドリ薬品は1927年に建てられた。

キーワード
ミドリ薬品中町通り松本城松本市(長野)

1923年に関東大震災が発生し明治以降最大規模の被害となり東京の街は焼け野原に。復興の過程で西洋風の衣裳を取り入れた看板建築が流行した。それを目の前にした人が地元に戻り、東京の建築を地元にも建てたいと頼んで作ってもらったと倉方俊輔は答えた。華美な装飾を施すなど、そのスタイルは様々で街の至る所に個性豊かな建築が生まれた。東京への憧れから始まった松本の看板建築は職人たちの高度な技で華やかに進化していった。次に向かったのは松本城のすぐ近く。1890年創業の料亭の割烹松本館へ。東京への憧れが形になった場所は昭和初期に建てられた鳳凰の間は、格式の高い場所で用いられる折上格天井には鶴が舞い、草花や鳥が見事な筆致で描かれる。この部屋をつくったのは松本館の二代目の宮澤信行。1931年に東京のできたばかりの目黒雅叙園を訪ねた。昭和の竜宮城と呼ばれた豪華絢爛なつくりに心を奪われ、地元にもこういう場所を作りたいと考えた。設計と監修を依頼したのは松本出身の建築家の太田南海。腕利きの職人を集めて5年の歳月をかけて作り上げた。床の間の彫刻が施された2つの床柱。左には長寿の桃の実を持つ西王母と、中国の軍人の東方朔の物語が。東方朔のヒゲの先から目元まで、豊かな表情で表現されている。右側には鯉の滝登り。諏訪神社の出しの飾りを譲り受けた。また南海がすべてを手掛けた葡萄をモチーフにした部屋は一面に葡萄の模様があしらわれた床柱や壁には葡萄の葉の形があしらわれている。ここはまさに松本の職人の集大成で、完成すると極上の宴会場として人々を楽しませた。鳳凰の間の舞台には満開の桜が描かれ、ぐるりと回って松の大木に変身する仕様に。明治から昭和にかけて続々と誕生し建物は松本の人の誇りが込められている。

キーワード
ミドリ薬品中町通り太田南海宮澤信行松本城松本市(長野)松本館目黒雅叙園関東大震災

国宝の松本城から北へ歩いて10分の場所に松本の人々のあこがれを形にした国宝の旧開智学校校舎は1976年に建てられた小学校で、現在は改修中だが玄関の上には龍が踊っていて、青空には白い雲が浮かぶバルコニーなどがある。明治初期に世界の建築要素を取り入れて建てられた擬洋風建築の傑作。当初県は質実剛健な校舎をつくるように指示していたが時は文明開化で、松本の人々は新しい時代にふさわしい校舎を建てたいと考えた。そこで建築を任されたのは松本藩に出入りする城下一の大工だった立石清重。西洋文明を取り入れた洋風建築を見て歩き、その技を衣装を自らの和製建築の技術と融合させこの校舎を生み出した。建築費の7割を地元住民が寄付。江戸時代から教育熱心だった松本は独創的な学び舎に若者の未来を託した。

キーワード
旧開智学校松本城松本市立博物館松本市(長野)立石清重

旧松本市立博物館に入ってみるとそこには現代アートの作品が。松本の建築をもっと知ってもらいたいと始まったマツモト建築芸術祭。アート作品を展示し歴史的な建物に新たな価値を作り出す取り組み。田中は今日の総括に松本はどこを見ても飽きない町だったと答えた。

キーワード
パンタレイマツモト建築芸術祭ラフォーレ原宿. Laforet年間キャンペーン三元素松本市立博物館松本市(長野)河合政之熊野寿哉白鳥真太郎
(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

(番組宣伝)
スポーツ リアライブ

スポーツ リアライブの番組宣伝。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.