- 出演者
- 伊藤雅之 上原光紀
政府は原油の代替調達先の確保を進めている。経済産業省の発表によると、ホルムズ海峡を通らない中東やアメリカなどのルートで調達を進め、これまでに去年の実績と比べて今月は2割以上、来月は半分を超える代替調達が可能になったとしている。また不足する分は石油備蓄の放出を組み合わせることで必要な供給量を確保するとしている。高市総理大臣は先週、「年を超えて石油の供給を確保するめどがついた」と説明。さらに原油の安定供給に万全を期すため、5月上旬以降第2弾の国家備蓄の放出として約20日分を放出すると明らかにした。赤沢大臣は、世界の中ではホルムズ海峡依存度は高いのでものすごく準備をしてきたことは言えるという。そのうえで、準備は完璧とは言えないという。全体量は足りている、目詰まりを解消すれば国民に行き渡るのは確実だと伝えたうえで、代替調達できる量を差し引くと必要な備蓄については抑えながら全体量を確保でき、年を超えて供給を確保できる目処がついたという状況。代替調達の課題について松尾さんは、これから中東の船が多く出てくるので少し安心しているという。米国の油は比較的軽い成分の性質で、ナフサやガソリンといった軽い石油製品が多く取れるが、日本の石油需要の半分は重油やディーゼルといった重たい燃料なので、日本の需要にも合った代替調達になり始めていると感じている。赤沢大臣は、過去に輸入した実績のあるところを中心に代替調達に当たっているという。
価格の問題について熊野さんは、代替ルートから入手できるかもしれないが価格アップになることが深刻だという。日本の備蓄は8か月分あると言われているが、節約する可能性があることを事前にアナウンスすることがいいのではと質問。赤沢大臣は、備蓄をカウントするときに石油備蓄法に基づくとナフサは除いてカウントすることがある。そういう意味から、8か月分の備蓄はあるというが、ナフサの使用量をカウントすると6か月になるという。ただ、そういうのも全部含めて年を越せるぐらいのところまで確保できたという理解をしているという。湾岸諸国の生産能力について、石油関連施設、天然ガス関連施設がイランの攻撃によって損傷を受けているので、戦争が終わったからといって直ちに戦争前の状態に戻るということではないという。ダメージがどの程度であったかによって、どの程度速やかに戦争前の状態に戻るかが変わってくるという。宮家さんは、石油は重要な経済物資ではあるが、同時に戦略物資でもあるという。安全保障の面からも議論をしなければいけない時期に来ているという。赤沢大臣は、経済安全保障をきちっと考えていかなきゃいけないことを問題意識として共有してる以上は、中東からの原油に対する依存を、今回これが解決すればよかったと続けるのか、抜本的に経済安全保障を確保するために依存度を下げるということは考えていかなければならないのは間違いないという。
石油関連製品の供給について。赤澤経済産業大臣は「上野厚労大臣、金子国交大臣、鈴木農水大臣、石原環境大臣などにお願いして取り敢えず私のところに集約し優先順位をつけて一つ一つ解消していくということを事態が沈静化するまで続ける」と説明した。流通の課題について。熊野氏は「流通ルートはブラックボックスになっているので、行政などは見える化していくことが必要だと思う」と指摘。赤澤経済産業大臣は「国がありとあらゆる製品・商売の流通経路を把握しとくみたいなことは技術的にできるかどうかの話もあるが、非常事態には問題が生じたところにしっかり手を当てていくというやり方もやらざるを得ないところもある」等と話した。
消費者態度指数は先月、前の月と比べて6.4ポイント低下しコロナ禍の2020年4月以来の落ち込みとなった。熊野さんは「停戦が即時に起こったとしても後遺症として今年の夏から年末にかけては生活物価があがると思う」、赤澤さんは「賃上げが実現できないと国民の生活が苦しくなっていく」、松尾さんは「今回の補助金というのは一時的な措置としては非常に有用な措置だったのではないか」などと話した。
東南アジアではエネルギー消費を抑制している国もある。松尾さんは「日本としてどこかのタイミングでは必ず長期化を見越していけば行動変容が求められるタイミンがあるんだろうと感じている」、熊野さんは「危機が起こった時に国民は行動バイアスで正常性バイアスというので危機が起こっても今の生活が続けられるんだっていう心理があるが政府が啓蒙していかないといけない」、赤澤さんは「災害心理学からいうと正常性バイアスはすごく大事。有事の時はマイナスに働く場合がある」などと話した。
