2026年4月5日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
家計の負担はどうなる? 「減税」と「給付」を徹底解説!

出演者
山下毅 上原光紀 
(オープニング)
家計の負担は?「減税」と「給付」を徹底解説!

出演者が挨拶した。今回は家計への負担、減税と給付について徹底解説する。

キーワード
中央大学大和総研社会保障制度改革国民会議高市早苗
(日曜討論)
解説!年収と給付・負担の関係は?

まずは、日本の社会保障制度が抱える課題について。今行われている国民会議。この会議では、税や社会保障のあり方について議論しているが、注目されているのが「翁カーブ」。OECDに加盟する先進国の平均と日本を比較したグラフを見ると、世帯年収300万~400万円台の負担率が大きくなっていることが分かる。この現状を踏まえ政府が行った試算でも同様の傾向が見られたため、国民会議ではこうしたそうをどう支援していくかが検討されている。

キーワード
日本総合研究所社会保障制度改革国民会議経済協力開発機構翁カーブ翁百合
「翁カーブ」で何がわかる?/中・低所得層への支援は?/社会保障制度の課題は?

是枝氏は翁カーブについて「日本だと世帯年収が平均的な賃金の60%~80%くらい、世帯年収300万円~400万円台くらいの方の負担が特にOECDと比べて重いことが明らかになった。社会保険料の重さと子育て世代向けの支援の少なさが見えてくる」、宮本氏は「日本の社会保障は決して出来が悪かったわけではないと思う。ただ、前提となっているのは、みんなが安定的に働けて家族を養える状況。この前提がひっくり返ってしまっていま非常に不安定なき方しか出来ない。非正規で所得の少ない人が増えている。ですので、根っこにあるのは雇用の問題というのは忘れてはいけない。所得の低い人達の保険料がどうしても重くなっていく。そのあたりがこのカーブに表れている」と解説した。所得の低い層の負担が重くなっている要因について是枝氏は「社会保険料が高いというところがある。社会保険料については給付もあるのでなるべく平等に負担しようという考え方がある。そうすると、収入に対する同じ率で負担を原則求めるという形になるので、所得の低い方にとって負担が重くなりやすい特徴がある。また、高齢化が進み医療や年金の必要が上がったため、かつてより保険料率が上がっているために、より所得の低いにとって厳しい状況置かれていることが多い」、宮本氏は「一つは働き方の問題。働く条件・処遇が大変厳しい。ここを改めるということと、しかるべき給付をちゃんと行っていく。この両面で対応していき、合わせて社会保険料負担を見直していく、このバランスを取っていかないといけない」と述べた。

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経済協力開発機構翁カーブ
解説!「給付+控除」の制度とは?

「給付付き税額控除」について。宮本さんは「給付付き税額控除は素晴らしい仕組みだが説明が分かりにくい側面がある」などと話した。給付付き税額控除は決められた額を所得税額から引き、所得が少なくて引ききれない人には給付を行うという仕組みになっている。

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「給付月税額控除」どんな仕組み?

「給付付き税額控除」について。是枝さんは「給付と税・社会保障の負担を一体で捉えて調整することができる。個々人の所得状況等に応じて金額を柔軟に調整できるメリットがある」などと話した。制度の対象については「子育て世帯なら世帯年収300万~400万円台。単身世帯なら年収100万~200万円台」などと話した。木村さんは制度について「働くことを応援する仕組みなので納得感が高い」などと話した。また是枝さんは「日本では生活保護を抜けて厚生年金や国民健康保険に加入した途端に保険料が上がる。この壁を埋めることが制度設計の上で重要」などと話した。

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解説!「給付+控除」の制度とは?

給付付き税額控除について海外では類似の制度が導入されている。ただ、国によって少しずつ制度が違う。アメリカの場合は年齢や子どもを養育しているなどの条件がある。いずれも勤労者を対象。一方でイギリスの制度はユニバーサル・クレジットと呼ばれている。1999年に給付付き税額控除が導入されたが、仕組みが複雑で効率が悪かったり、支給の誤りが多かった。2006年には給付だけの制度に。2013年には6つの制度を整理・統合。制度の目的はアメリカもイギリスも低所得者支援だけでなく就労・勤労支援や子育て支援。

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「給付付き税額控除」海外の制度は?/アメリカ・イギリスでは?/導入への課題は?

「給付付き税額控除」海外の制度は?宮本氏は「アメリカでは2300万人くらいの人が制度を受給し、440万人くらいが貧困から引き上げられているという。しかも子どもがいる世帯は控除額が増えるということで子育て支援の機能もしっかり担っているというので注目して良いのではないか」、是枝氏は「福祉事務所の審査などは要らないので気軽に申請できるというところにメリットがある一方、自己申告ベースなので50年経っても誤りが多いというところで、故意か過失か分からないものの給付額全体の2~3割が誤支給になっている実態がある」等と話した。導入への課題は?是枝氏は「所得の捕捉が難しい。ただ、働く人に限ってみれば所得は国がある程度捕捉できる状態にある。さらに社会保険の情報を使えば保険証は1人1枚だから重複のない支援もできる。ある程度働く人に対する支援という形に限って設定するならば働く低所得者・中所得者まで入れるのかということだが、そういう方に支援することはできると思っている。マイナンバーカードも普及してきたが、実はマイナンバーカードで分かるのは個人情報だけで世帯ベースでどうなっているかは必ずしも紐づいていない。マイナンバーカードの普及は前提条件であり、それだけが全てではない」、宮本氏は「どの部署が所管するのか難しいところがある。日本の場合は誤支給に対して厳格というところがあり、効用と問題点のバランスみたいなことも考えなければいけないと思う」等と話した。

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解説!「消費税」と社会保障

給付付き税額控除の導入には時間がかかるため、まず導入を目指すとしているのが食料品の消費税ゼロ。国民会議で議論されており、高市総理は給付付き税額控除を改革の本丸と位置づけ、制度設計について検討を進めるとしている。そのうえで給付付き税額控除が実現するまでのつなぎとして食料品消費税ゼロを2年間に限定して実施するとしている。宮本さんは、もともと消費税の逆進性といった場合、豊かな層と比べ低所得層は所得に対する消費の割合が大きいが、中でも食料品は非常にコストとして重くなってくるという。ここを当面の政策にしようとしているという。消費税ゼロは、財政がきつくなるともっと円安が進んで物価高が進むなどの副作用も予想され、さらにある種の依存性の問題も付いてくるという。年間の消費税負担額のうち、軽減税率対象の食料品などへの支出額を世帯年収別にグラフにしたところ、年収200万円と1500万円の世帯で差が少ない。ただ、実際の負担額そのものは高所得者世帯の方が多い。政府は消費税の使い道について、原則社会保障の費用に充てていると説明。2025年度の社会保障にかかる費用は約34兆円。一方消費税収は約20兆円で消費税だけでは賄いきれないのが実情。

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社会保障制度改革国民会議給付付き税額控除高市早苗
「消費税」はどんな税?/「消費税」の使いみちは?/消費税と給付付き税額控除/「食料品 消費税ゼロ」は?

消費税の特徴について宮本さんは、社会保障の財源に消費税を重視したのは、世代の平等を考えていくと、所得税は主に現役世代が負担していくのに対し、これから高齢化が進んでいく中で、消費税は高齢世帯も等しく負担していくところにポイントがあったはずだという。社会保障と税の一体改革は、もともと消費増税をしっかり社会保障の給付と結びつけて納得感を持ってもらうことに目的があったという。だが実際には増税してもかなりの部分を借金返済に充てることになっていたりと、関係が曖昧になってしまったのがあるという。是枝さんは、高齢になればなるほど所得だけでなく資産の格差も広がっていくので、資産の取り崩しや運用益などを使って消費する場合にも負担してもらえるという点で、高齢の方にも負担能力のある方に負担してもらってる税。消費税減税して戻せないとなると、より現役世代に厳しい仕組みになっていくという。給付付き税額控除導入までのつなぎとしている食料品消費税率ゼロは再考の余地はあるという。消費税は企業にとって短期的に動かされると調整が難しい仕組みだという。事業者間の取引においても消費税がかかっているので、その調整に様々な特例があり、農家や飲食店、ドラッグストアなどの取引に大きな影響を与えてしまう面があるという。すぐにできる給付付き税額控除があるならばその制度設計を急ぎ、是枝さんの案だと来年には実施できるという。税を下げるとうことは消費を喚起する、かつ事業者に混乱を招く形になるので、実際にどちらのほうが自分に支援が行き届くのかという視点で考えてもらうと、消費税ゼロより給付付き税額控除あるいは一律の給付を配るほうが効果的だと思っている。イラン情勢の影響について宮本さんは、物価レベルで反映していくことと、経済の根幹に関わるという両面あると思っていて、物価だけに惹きつけられてしまうと、長期的に実現していかないといけない所に必要なコストが持っていかれてしまい設計が揺らいでしまうところもあるため慎重な舵取りが求められるという。

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松阪牛社会保障制度改革国民会議
解説!「消費税」と社会保障

年齢ごとの給付と負担のイメージを図にして説明した。出生~就職前は給付、現役氣は負担、高齢期には再び給付の割合が多くなっているのがわかる。

どう考える?「給付」と「負担」

是枝氏は「国民会議において異なる立ち場の方の異なる形での社会への貢献にリスペクトを。給付と負担のグラフで高齢者ばかりに出しているんじゃないかと思うかもしれないが、この方々は今ほど児童手当だとか育児休業給付とかがない時期に今の現役世代より多くの方の子供をの負担をしてきた方々。その人達に年金を支払っているからこそ今の現役世代って家業を継がなくても自分の好きな職業を選ぶことができるという生活を送ることができている。異なる世代の方にリスペクトを持って考えていくと信任が得やすいのではないか」等と話した。

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経済協力開発機構
「国民会議」今後の議論は?

「国民会議」今後の議論は?是枝氏は「有識者として提案はするが、最後は政治家の方々に対立ではなくてどのような社会を目指したいのかということに合意を頂き、きちんとしたメッセージを発してもらう、そのような形に行き着くことができるかというところが課題だと思う」、宮本氏は「今回の会議は政治家中心になっているというところもあるし、合わせてテーマが非常に分かりにくい。一旦壁を越えちゃうと皆が頷いてくれる可能性があるが、まだそこまでいってないというところがある。国民会議はもっとオープンな議論をして国民に丁寧な発信をして国民の議論を巻き起こしていく。なぜならば信頼回復こそ会議のミッションだと思う」等と話した。

(エンディング)
エンディングトーク

今朝は給付付き税額控除・消費税について専門家2人と解説した。これからも日曜討論では税と社会保障について議論を続けていく。

キーワード
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