- 出演者
- 伊藤雅之 上原光紀
日本国憲法をめぐる議論が国会で続いている。衆院では緊急事態の際の国会機能の維持などを盛り込んだ「緊急事態条項」のイメージ案を基に討議が行われ、参院では「1票の格差」「合区」解消などの意見交換が行われた。高市総理は超党派の会合に、時代の要請に合わせて定期的な更新が図られるべきとのメッセージを寄せた。憲法論議をめぐり各党はどう臨むのか。
今回は国会で議論が続く憲法について各党で議論する。
- キーワード
- 日本国憲法
憲法をめぐる議論について。自民党・新藤氏「憲法施行から80年。具体的な議論を進めていきたい」。維新・馬場氏「煮詰まった議論をピン留めして決めていかなければならない」。国民・浅野氏「毎週開催は大きな前進。緊急事態条項と一票の格差は議論が出揃ったが、9条の問題などはまだ煮詰まっていない。議論を絞って進めるべき」。中道・泉氏「国民投票も伴うことは慎重な議論が必要」。立憲・小西氏「改憲ありきで、民主主義などを覆す内容が議論されている」。参政党・和田氏「現行の憲法は主権が制限された中で成立した。真に国家・国民を守ることをやっていくべき」。公明・谷合「両院の議論を尊重するべき」。みらい・古川氏「改憲・護憲の2項対立ではなく国民のためになる議論が必要」。共産・山添氏「高市総理は改憲ありきで改憲を煽っている」。れいわ・大石氏「国内では物価高などの問題もあり、議論が毎回できているからいいというものではない」。改憲ありきという批判に対し、自民・新藤氏「緊急事態条項などは丁寧で慎重な議論をやっている。結論ありきの議論をしているわけではない」と反論した。
現在衆議院で議論されている「緊急事態条項」について。緊急事態条項をめぐっては衆議院法制局と憲法審査会の事務局がこれまでの議論を踏まえてイメージ案を作成。緊急事態により国政選挙の実施が広い範囲で長期間困難な場合、内閣が国会の承認を得て「選挙困難事態」に認定するとしている。こうした際には、特例として国会議員の任期を延長し、総理大臣による衆議院の解散を禁止するなどとしている。さらに、内閣が法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を制定できるなどとしている。
緊急事態条項の論点について、日本維新の会・馬場氏は「189か国のうち緊急事態条項が無いのは5か国のみ。この5か国に日本が入っているということを皆様方にまずご理解いただきたい」、参政党・和田氏は「感染症の蔓延というものが対象範囲に入っている限り参政党は反対しします。これは恣意的な時代認定が排除できないからです」、立憲民主党・小西氏は「緊急政令は、災害対策基本法や国民保護法などで緊急制度措置は既にありますので不要です」、中道改革連合・泉氏は「機嫌がいつまでだからということで無理やりその期限に合わせるものではないだろうと思います。内閣への白紙委任という色彩が強ければ、これは絶対に認められないと考えています」、自民党・新藤氏は「選挙ができなくなると議員が選べなくなる。議員がないままどうやってこの国を運営していくのかとなる。議員を確保して、二院制をきちんと担保できるようなものをやむを得ない措置としてこういう緊急事態ということで任期の延長を認めようとするということです」、国民民主党・浅野氏は「5会派ですり合わせてお互いの一致できる範囲で作り上げた叩き台がベースになっているが、このイメージ案の上でこれからより一層各論点をぜひ議論すべき」、公明党・谷合氏「いかなる緊急事態にあっても国会機能を維持していくことは重要。一方、失われた議員の身分を復活させることについては国民の強い理解と賛同を得ないといけない。備えるべきは災害に強い選挙制度の整備」、チームみらい・古川氏は「緊急事態に備えるという意味で議論すること、検討していくことは必要だと思う。ただ、緊急政令が含まれていることには懸念を抱いている」、日本共産党・山添氏は「緊急時にこそいかに民意を反映させるのかが重要であるはず。私は参議院の緊急集会で対応すべき問題だと思います。本気で災害対応を考えるなら自治体の職員を増やすべき。感染症対策なら医療や保険の体制強化を図るべき」、れいわ新選組・大石氏は「戦争ビジネスでここの与党にいる方々の票をくれる人たちは儲かるんでしょうけど、犠牲になるのは若い人たち、自衛隊員。是は体を張って止めなきゃいけない時代です」とそれぞれ話した。
参議院の「合区」について。1票の格差を是正するために鳥取県島根県がひとつの選挙区となり、合わせて定数2となった。徳島県と高知県でも合わせて定数2となった。立憲民主党の小西さんは民主主義の根幹に関わることが起きているという。しかしこのままの法律でできるとのこと。公明党の谷合さんは地域の声が埋もれてしまうので解消すべきだという。憲法を改正することについては慎重だ。日本共産党の山添さんは、1票の格差を抜本的に見直すことが問われているという。ところが合区でごまかしている。改憲は必要ない。自民党の新藤さんは地域の民意の反映のエリアが憲法にはないという。概念を作らなければならない。国民民主党の浅野さんは、憲法改正で対応すべきだという。あくまでも緊急的な対応だ。地域の民意、全国民の代表制を両立する憲法改正が必要だとのこと。チームみらいの古川さんは、参議院の定数を増やすことが必要となるという。現行憲法の元で議論を尽くすべきだという。れいわ新選組の大石さんは合区のために憲法を変えなければいけないなんていうことは話しにならないという。国が地方にお金を入れて人口を増やさなければいけない。憲法をいじらなくてもいいという。中道の泉さんは、小西さんの言った最高裁の見解が正しいという。一極集中が起きたことで進んでいる事態だ。憲法で無理やり定めても歪みが大きくなるばかりだ。人口対策をどうするか。地方の議論もすべきだという。参政党の和田さんは合区の解消の憲法改正については賛成だという。衆議院についても合区解消すべきだ。維新の馬場さんは5つの憲法改正項目を決定しているという。しかし合区の解消は入っていない。その上で、合区の解消はやり続けなければならない。参議院の選挙のやり方を考え直すべきだ。参議院の改革協議会で議論してほしいという。自民党の新藤さんは、大事なことは地域の民意の反映と1票の格差がバランスをとることが望ましいことだという。
憲法9条について。国民・浅野氏は「政党や衆参で考えが違うと思うので時間をかけて議論しなければならない。国民民主としては自衛隊を明記した上で、どのような行為を認め、それをどのように統治するのかまで書くべきと考えている」などと話した。自民・新藤氏は「9条には国防規定が欠落しているのでそれを設ける。そして実力組織を有し、名称を自衛隊とする。これが自民党の考え方」などと話した。参政・和田氏は「9条は根本的に変えるべき。自衛隊の明記だけでは不十分なので、自衛軍を保持して国民・国土を守るためにやれることを最大限憲法で担保する必要がある」などと話した。中道・泉氏は「9条は変えず堅持すべき。自衛隊を軍化すると国論を二分することになりかねない」などと話した。維新・馬場氏は「自衛隊は日本では行政組織、海外では軍という位置づけになっておりそこが矛盾している。ここを正さないと確かな議論にならない」などと話した。公明・谷合氏は「9条は堅持すべき。日本は唯一の戦争被爆国として、国際法や外交に則った軍縮・核不拡散の再構築にリーダーシップをとるべき」などと話した。れいわ・大石氏は「国民の皆さんには9条改正の議論に折れず戦ってほしい」などと話した。立憲・小西氏は「9条改正も自衛隊明記も必要ない」などと話した。みらい・古川氏は「平和主義は堅持すべき。その一方で必要な防衛力のあり方も議論すべき。国民の理解を得ながら丁寧に進めていくべき」などと話した。共産・山添氏は「今求められているのは9条改正の議論ではなく9条に基づく平和安全保障外交への転換」などと話した。
今後の論議にどう臨む。大石氏は「主権者の方が生身の体で傍聴席に来ていただいて、この暴論ぶり、「憲法を変えちゃだめだ」と闘っている人たちの姿を見ていただきたい」、山添氏は「どこからなら手を付けやすいのかというような議論は止めるべき。憲法をどう生かしていくのかを議論するのが政治・国会の役割。憲法を実現していくという議論は大いにやるべきだが、憲法審査会ではなく予算委員会をはじめとした国会論戦の中で国会の外を取り巻いている多くの皆さんの声とともに臨んでいきたい」、古川氏は「並行して手続きの整備についても議論していくべき。国民投票法の整備や投票環境の改善といったものも進めておく必要がある」、谷合氏は「AI時代の人権保障や同性婚などの人権保障についても議論を深めていくべきだと思う。大事なことは憲法改正によって国民が分断されないこと。加憲主義で議論に貢献していきたい」、和田氏は「国家・国民を守るための憲法改正の論議であると考える。自国の防衛は自らの手で行うということを規定していかなくてはならないと思う」、小西氏は「憲法を活かす議論をするとともに、日本国憲法の価値を守らなければいけないと思う」、泉氏は「憲法審査会を毎週開くのは良いのかもしれないが、予算委員会と党首討論はもっと開くべき」、浅野氏は「国会議員の責務は日本の最高法規をよりよいものに変えていくこと。成果を出す意識をさらに強めていきたい」、馬場氏は「日本維新の会と自民党の連立協議の中で緊急事態条項と9条の改正について今年度中に条文案を作成するとのことで議論が始まっている。両党との議論をベースに憲法審査会でも議論を前に進めていく方向で考えている」、新藤氏は「常に具体的な議論をして、まとめて、それを土台として次に進めていく、こういったことが重要だと思うし、国民の皆さまに丁寧にそれが届くようにしたい」等と述べた。
エンディング映像。
