- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 谷まりあ カズレーザー 都築拓紀(四千頭身) 片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE) 浮所飛貴(ACEes) 深田竜生(ACEes)
終戦の日に世界ではどんなことをするのか。日本では終戦の日の8月15日は、韓国では「光復節」という独立記念日にあたる。韓国の人々は、光復節のことを「日本から解放された日」「日本が降伏した日」「命を懸けて独立運動をした方々を称える日」などと話した。光復節には政府主催の記念式典やコンサートなどが行われ、歴史館などの施設では歴史を学ぶ子ども向けのイベントも行われる。スーパーなどではこの日に合わせたセールが開催され、様々な記念グッズが売られる。ソウルの中心地にある光化門広場では、独立を祝う大規模な集会などが毎年開かれている。韓国では小学校から日本の統治について教えられ、中学・高校でもくわしく学ぶ。
韓国ではZ世代の4人に1人が光復節を知らないというデータがある。「光復節の意味、行事、年と日付を知っているか」という質問に、20代以下が73.2%しか答えられなかった(出展:韓国の世論調査会社PMI)。同じ調査で全世代の約3割が、「光復節に日本へ旅行するのは個人の自由だ」と答えている。
中国の終戦の日は?9月3日が中国の抗日戦争勝利記念日。1945年9月2日、対戦国の日本が降伏。中国は戦勝国なので9月3日はお祝いの日。今年は戦後80周年の節目ということで、大規模な軍事パレードが予定されている。トランプ大統領やプーチン大統領も招かれる予定。日本との戦争はどう習うのか?中国人民解放軍が侵略に抵抗した正義の戦争と習う。中国は第二次世界大戦で日本としか戦っていないので、抗日戦争と第二次世界大戦は別の教科として学ぶ。
中国では愛国主義教育として中国共産党の思想教育が行われている。去年1月、愛国主義教育法が施行。
中国では様々な場面で中国共産党の正しさが教えられている。抗日戦争を描いたドラマでも愛国主義教育がされている。
中国当局は抗日ドラマなど過剰な演出を問題視し「史実に基づいた作品づくり」のガイドラインを発表。
中国の街の人からは「現在の日本や日本の人々に対して敵意を抱くべきではない」「現在の日本には科学技術、文明の高さ、マナーの良さ、若い人に人気のアニメやドラマなど私達が学ぶべき点がたくさんある」などの声がきかれた。
中国では愛国主義教育で戦時中の日本の行為を悪く伝えているが、中国の若者たちはアニメに憧れたり、旅行に来ると日本の素晴らしさを知り、学校で教えられたこととのギャップを感じる人も多いという。政治と文化は別のものとして日本のファンも増えている現実がある。
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同盟国として敗戦国となったドイツ。終戦の日はドイツが降伏した5月8日となっているが、強制収容所ごとに解放記念日が存在する。ドイツの街角にはナチスによる犠牲者を追悼し、かつて生きていた場所を示す記念石「つまずきの石」など、日常から過去を忘れない取り組みがされている。ドイツでは挙手の際に人差し指を立てる。腕を伸ばすとヒトラー式敬礼ということで犯罪になる。
ヨーロッパではドイツが降伏した5月8日が第2次世界大戦終戦の日と言われているが、イタリアでは終戦の日は4月25日となっている。実はイタリアでは独裁政権への不満と北部がドイツに支配されていたこともあり激しい内戦が起きていた。この内線が集結し、ナチス・ドイツとムッソリーニ率いる独裁政権から開放された4月25日を「終戦の日」と定めたのだという。日本やドイツと違い特に式典と言えるものは行わず、戦争についての教育も「表面的」なもの、あるいはユダヤ人の迫害、ジェノサイドについての学習にとどめているという。また高齢者からは「我々は負けたと思っていない。ただ参加しただけ」という声もあった。
イタリアの戦争に対するVTRを見た片寄涼太は「ここまで違いがあるというのに驚いた。」とコメント。カズレーザーも「解放記念日と呼んでいることに違和感。たぶんイタリア国民からしたらファシストを支持したわけじゃないという感覚なのかな。でもムッソリーニが指示されていた時代もあったはずで、そういった人々と我々は全く関係ないというスタンスがとれているのは外国から見ると不思議」とコメント。池上彰は「ムッソリーニの支配に対してイタリアでは抵抗運動が起きていて、戦争末期に独裁政権をひっくり返して連合国側についた。だから勝ったか負けたかと聞かれて引き分けと答えている」と説明した。
いまや世界有数の経済大国となったインド。インドは第二次世界大戦で日本軍と激戦。インドの終戦の日はどんな雰囲気か。その日、国旗掲揚をして国家が流れ、みんなが心をひとつにして歌うという。凧揚げをするという。凧揚げはお祝いごとに欠かせない。イギリスの植民地だったため、イギリス軍の一員として日本と戦争をした。8月15日は独立記念日だという。1947年8月15日にイギリスから独立。去年、モディ首相は、「14億人の国民が世界の超大国を打ち破り、奴隷の足かせを断ち切った」と演説。8月15日は皆が団結して得た独立を喜ぶ日だ。
インドはイギリスの植民地だった。その時代に日本軍がインドに攻め込み、インド兵が日本軍の捕虜になった。日本軍は反イギリス・独立を志すインド人を味方にし新たな部隊を結成。それがインド国民軍だという。日本側が組織し、イギリス軍と戦った。デリー大学の教授は、日本軍はインド国民軍の支持を得たという。日本はインドが独立するための支援を約束した。インド国民軍は独立運動の中心的存在となった。イギリス人たちにもうインドには長くいられないと思わせたという。日本は間接的にインドの独立に関与した。インドの人もあまり知らない事実だとのこと。
第二次世界大戦で日本が攻め込んだ東南アジアのひとつインドネシア。その終戦の日はどんな雰囲気なのか。インドネシアでは8月17日が独立記念日だという。インドネシアがオランダの植民地だった期間は350年。その日運動会が開かれるという。パンジャット・ピナンがおもしろいという。棒のぼりの競技だ。棒には油が塗ってある。てっぺんにある景品をゲットする。日本によってインドネシア人は強制労働を強いられたという。ロームシャと呼ばれていた。インドネシアの人たちに反日のイメージはないという。なぜなのか。
インドネシア人の日本に対してのイメージは良い面と悪い面があるという。日本が統治したことで多くのインドネシア人たちの自由が奪われたという。良い面は鉄道などを残してくれたという。日本の占領は正当化できない。
現在インドネシアは親日の国と呼ばれることもある。オランダの植民地支配から独立するきっかけは日本に占領されたことだったと考える人もいる。日本が降伏した2日後にインドネシアは独立宣言。オランダは認めなかった。そしてインドネシア独立戦争がはじまった。このとき残留日本兵がインドネシア独立のために戦った。結果的にインドネシアは独立を果たせた。日本はインドネシア独立後も多くの支援を行った。戦時賠償金をインドネシアに支払った。戦争責任を認めて損害や費用を補償した。ODAと呼ばれる政府開発援助で日本は資金・技術などの経済協力もした。今の日本は信頼できる?との質問に、インドネシア人300人のうち、とても信頼できると答えたのが60パーセント、どちらかというと信頼できるが36パーセント。戦後100年と言えるように努力しなければいけないと池上さんが言う。