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オープニング映像。
川崎市の幼稚園では限られた人数で園児を見守るために欠かせないのが無線機だ。職員たちは無線機で常に情報を共有しあっている。この無線システムを提供しているのが今回のガリバー・JVCケンウッド。日本ビクターとケンウッドが経営統合して2011年にできた会社。近年、最も力を入れているのが業務用無線通信システム。北米を中心に個々2年で売上が362億円から702億円に急増している。
スマホは1対1の通話だが、業務用無線は1対複数の通信が同時にできる。スマホではインフラが使えなくなった時に使用できないが、業務用無線はあらゆる状況の中で通信が可能になる。JVCケンウッドの創業は2011年、年商は3595億円、従業員数は1万5880人。国内外40の拠点を持ち、売上高の海外比率は65%。主な事業はモビリティ&テラマティクスサービス、エンタテイメントソリューションズ、セーフティ&セキュリティ。事業利益の83%を占めるのがセーフティ&セキュリティ分野。世界各国で危機管理・有事・防災に関する対応の機運が大きく高まっている。去年発売された業務用デジタル無線機の最新モデルVP8000の特徴はどんな過酷な状況下でも安定した通信が行える堅牢性。さらに、3つの周波数帯を1台で通信できるトライバンドだ。
JVCケンウッドの無線機の製造拠点が山形の鶴岡工場。基盤製作からソフトのインストール、組み立てまで一貫して行っている。最新モデルではトライバンドにするため、部品のサイズを小さくかつ、部品同士の間隔を狭めた。さらに基盤のネジ穴の数を減らすことで設計の自由度が上がり、より堅牢性を高めることができた。落下試験、低温試験、防水試験をして機能が損なわれていないか確認した。旧モデルでは内部構造が3つのパーツに分かれていて隙間から水が侵入してしまうケースがあった。最新モデルでは1つのパーツに成形して隙間をなくした。フロントの表示部分はキズ対策としてフィルムを使用していたが、強化ガラスを使用することにした。これらの改良点は開発担当者が海外の警察や消防など実際の現場で研修を受けて見つけた課題から生まれた。エマージェンシーボタンは大きく押しやすくなった。
JVCケンウッドは2つの会社が統合して生まれた。その一つが1927年に設立された後の日本ビクター。1939年に日本初のテレビジョン受像機を完成させた。1976年には家庭陽VHSカセッター第1号機を発売。もう1社が1946年設立の春日無線電機商会、後のケンウッド。創業時から無線に使われる高周波コイルを製造している。トリオに社名変更後の1978年には業務用無線機分野に参入した。1986年、トリオからケンウッドに社名変更。そのケンウッドと日本ビクターが経営統合して2011年にJVCケンウッドが誕生した。
経営統合を果たしたJVCケンウッドは2008年のリーマンショックをきっかけに事業形態の転換を余儀なくされる。2020年には新型コロナウイルスによる世界不況によって売上が急激に落ち込んだ。そんな中、銃乱射事件やテロへの恐怖から防災意識が高まっていた北米に活路を見出した。
ANAグループの総合トレーニングセンターではパイロットの訓練などが行われている。フライトシミュレーターに取り付けられたJVCケンウッドのプロジェクターは国の基準を大幅に超えている。特に夜間の黒色をリアルに表現できる技術に定評があるという。液晶デバイスを独自に開発することで高解像度・高コントラストを実現した。この光を操る技実は光通信向け光スイッチやホログラフィックディスプレイなどに利用されている。
今後はアジア・APAC・中近東・欧州に軸足を移してグローバル二展開していきたいと江口社長は話した。
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知られざるガリバーの次回予告。