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オープニング映像。
豊田自動織機のフォークリフトに使われているのが鉄でできた厚板。厚さ6mm以上の板状の鉄鋼を厚板と言い、産業機械などの強度が必要な部分に使われる。厚板を手掛けているのが今回のガリバー「中部鋼鈑」。中部鋼鈑では用途に合わせた多品種の厚板を小ロットで生産している。中部鋼鈑の厚板には鉄スクラップが使われている。
電気炉で厚板専業メーカーは日本で中部鋼鈑しかない。多品種で小ロット生産ができる。年商は511億円、従業員数は521人。約23万平方メートルの敷地に本社と工場を集約している。強みの一つが注文に応じて多品種の厚板を必要な分製造する小ロット生産。厚さや強度、加工のしやすさなど用途によって求められる性能は様々。多様な注文に応えるのが巨大な電気炉。高炉は鉄鉱石とコークスを使って長期間連続して鉄を作る設備で一度稼働すると簡単には止められない。一方、電気炉は電気の熱を使って鉄を溶かす。必要に応じて稼働・停止がしやすい。原料となるのが鉄スクラップ。カメラの映像をもとにAIが鉄スクラップの種類や等級を判定。つくる鋼材に合わせて種類や量を調整する。約1600℃で鉄スクラップを溶かす。スクラップには不純物も含まれるため精錬という工程が重要になる。精錬では用途に合った強さや性質にするため炭素やマンガンなど必要な成分を加えて調整する。不要な成分は生石灰などと反応させてスラグと呼ばれる鉄とは別の層に取り込み分離する。サンプルを採取して炭素やマンガンなどの成分量が範囲内かを分析する。分析と調整を繰り返して狙った材質へと近づけていく。
含まれる炭素の量などによって鉄の内部にできる組織が変わる。鋼材はいろんな用途に使われ、硬さを求める場合には炭素をたくさん入れる。加工しやすさを求める場合には炭素の少ない鋼材を提供する。顧客のニーズに合わせて鉄の成分を調整している。成分を整えた溶鋼は連続鋳造という工程で固めて板になる前の鉄の塊にする。鉄が固まる過程では炭素などの成分が中心部に集まりやすくなる。中心分が完全に固まっていない状態で電磁撹拌を行って成分の偏りを抑える。鉄の性質を決めるもう一つの大切な工程が板状に延ばす圧延。鋼材に合わせて温度や圧延条件を細かく調整する。圧延は基本的に自動制御だが、オペレーターが微調整して狙った寸法に仕上げる。高温の鉄の表面にできる酸化皮膜スケールは厚さにムラがあるとレーザーの熱が安定して伝わらず切断に影響が出る。スケールの厚さをできるだけ均一にして表面にしっかり密着するよう細かくコントロールしている。レーザー切断に適した独自の厚板も開発した。
中部鋼鈑の誕生は戦後間もない1950年。東海地区で最初の鋼板メーカーとして操業を始めた。当初は外部から仕入れた熱い板状の鉄を薄く伸ばして厚板を作っていた。1956年に電気炉を導入すると、鉄を溶かすところから自社で行う一貫生産体制を確立。1962年、中部地方では自動車産業などが急速に発展し、鋼板の需要拡大が見込まれて生産力の強化が求められていた。当時、世界最大と言われる200tの電気炉を導入して生産量を上げることになった。その後も連続鋳造機や圧延設備などを次々と導入。2024年、新しい環境対応型の高効率電気炉に更新した。新しい電気炉ではスクラップをベルトコンベヤーで連続して投入、鉄を溶かす際の排熱を利用して投入前のスクラップをあらかじめ温める。これによって溶かす時間が短縮されて使用電力も減った。騒音や粉じんの発生も抑制。環境への取り組みは製品そのものにも広がっている。2025年に供給を始めた環境配慮型の電気炉鋼材「すみれす」は電気起因のCO2排出量をゼロにしている。活用するのは太陽光発電による再生可能エネルギー。
「名古屋の地で創業100年、150年を目指し資源リサイクルによる鉄づくりを続けていくことが私の夢」と金子社長は語った。
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