2023年10月18日放送 15:10 - 15:40 NHK総合

美の壺
「今昔つなぐ 木桶(おけ)」

出演者
草刈正雄 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

File589 今昔つなぐ 木桶
今回のテーマは

今回は木桶の魅力を紹介する。

一、手業が引き出す 木のぬくもり

東京・北区には大正2年より営業している宮造りの銭湯がある。ここでは創業以来ずっと木の桶にこだわってきた。営業終了後、今では珍しくなった桶洗専用の機会で毎日湯桶を洗っている。さらに、毎年正月には約50個の湯桶をすべて入れ替える。

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北区(東京)

京都・東山区には約200年続く桶店がある。店内には20種類以上の桶が並ぶ。祇園祭で長刀鉾に飾られる桶はこの店で代々作っているものだ。10代目の山本大輔さんは元々別の仕事をしていたが、17年前から桶職人を始めて祖母が続けてきたこの店を継ぐことになった。丸みを帯びたナタが桶づくりには欠かせない。最も重要とされる「正直」という工程ではカーブと角度を確認する。鉋は内側用と外側用を使い分け、2箇所にたがをはめる。底板は少し大きめに作り、しならせるようにして入れていく。

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東山区(京都)祇園祭長刀鉾
ニ、伝統の味を育む

静岡・掛川市には200年以上木桶で醤油を作り続けている蔵元がある。醤油の味と香りと色は蔵癖によって大きく影響が出るという。大桶は一般的に150年ほど持つと言われている。深谷さんの蔵の桶は100年以上経っていて、新しい桶の導入を考えていた。そんな折、深谷さんの醤油を是非使いたいと、ラーメン店から注文が舞い込み、大桶を一つ増やすことにした。

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掛川市(静岡)

桶店3代目店主の青島和人さんは元々小さい桶を手掛けていたが18年ほど前、大阪の大桶職人のもとへ教えを請いに行き以来、大桶も作るようになった。合わせ目の角度を決める工程は大きいだけに均等に削るのは至難の業だ。たがは京都から仕入れた約15mの真竹で、2人ではめていく。内側は光沢を帯びるほど滑らかにするという。

三、未来の桶を夢みて

高松市にある川井には桶の製法で作られたバーカウンターがある。バーカウンターを作った職人の谷川清さんは両親と3人で桶を作っている。谷川さんは桶づくりの技法で様々なものを手掛けてきた。創業から60年余、この工房ではバーカウンターのようなものを手掛けたことはなかった。そこで、家具職人に知恵を借りるなど試行錯誤し親子3人で作り上げた。

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三木町(香川)高松市(香川)

日本の木桶は海外からも高く評価されている。大津市に世界から注目されたシャンパンクーラーを制作した工房がある。ここではこれまでの桶づくりに新風を吹き込もうと意欲に満ちた職人たちがいる。3代目の 中川周士さんの父は木工芸の人間国宝で桶職人の中川清司さん。中川さんの名を一躍有名にしたシャンパンクーラーは開発に2年かかり、今までにない斬新な形が求められた。10回以上の施策の末に完成した。この構造を生み出してからは自由な発想で桶を作れるようになった。

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中川清司大津市(滋賀)
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