2023年8月5日放送 11:15 - 11:42 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
人気アウトドアスポットに異変!? ブームの裏で何が

出演者
合原明子 青木康太朗 
(オープニング)
オープニング

今日の舞台は首都圏のアウトドアスポット。実は今各地で異変が相次いでいる。バーベキューやキャンプを目当てに多くの人が訪れる神奈川の河川敷では「壊れたテントをそのまま放置して捨てて帰っちゃう」「ゴミがゴミを呼ぶっていう」。埼玉では住民からの苦情が相次ぎ、閉鎖を余儀なくされていたところも。各地で急増するグランピング施設の思わぬ課題も見えてきた。活況のアウトドアレジャーの裏で何が?

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さいたま市(埼玉)グランピング
(首都圏情報 ネタドリ!)
多様化するアウトドアレジャー その裏で…

大きな盛り上がりを見せるアウトドアレジャー。それを支えているのが楽しみ方の多様化。アウトドアスポットに密着すると様々な問題が起きていることが見えてきた。

人気アウトドアスポットに異変?多発するトラブル

日本のアウトドアレジャーの現状に危機感を抱いているのは、日本単独野営協会代表理事の小山仁さん。このグループではマナー違反に独自のネーミングをしてSNSなどで発信し、注意を促している。焚き火を放置したまま変える行為、たき逃げは各地のキャンプ場や河川敷で相次いでいる。さらにアウトドアでの焚き火は専用の台を使って行うのがマナーだが、ここ数年各地で直火が横行。背景に初心者の増加があるとみている。中でも危険なのが河原から大きな石を集めて直火をする行為。取材中に出会った家族は車の底からオイルが漏れ出して困っていたが原因を聞くと、「(石が)入った感じ 音も相当大きかったんで ぶつけたかはねたか」などと話していた。小山さんによると直火に使った石が原因の事故が各地で頻発しているという。

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愛川町(神奈川)日本単独野営協会

近年急増する女性のソロキャンパーの間ではある対人トラブルが問題となっている。アウトドア情報を発信するなちゅガール編集長の森風美さんは「いま一度考える『女性キャンパーへの声かけ事案』」と題する記事を発信した。きっかけとなったのはSNS上で大きな反響をよんだ動画。夜見知らぬ男性にLINEを交換しようなどと突然話しかけられ、女性は何度も断ったというもの。森さんは、友達で怖かったみたいなことを言っている子もいたので他人事じゃないなと言う気持ちがしました、と話していた。動画を受けて森さんは男性に守って欲しいコミュニケーションのマナーを発信。女性んキャンパー向けには実を守るための対策を伝えた。

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なちゅガール
相次ぐアウトドアでのトラブル ゴミ・騒音で現場は…

相次ぐアウトドアトラブル。利用者のマナー違反によって一時閉鎖に追い込まれたところもある。年間8万人が訪れる埼玉県の飯能河原は、最寄りの駅から徒歩15分で豊かな自然を楽しめる手軽さが人気を呼んでいた。しかし一昨年の夏、この河原は閉鎖された。奥むさし飯能観光協会 副会長の小槻成克さんは、飯能も観光の町というのがひとつの面にありますので、その代表的な飯能河原が使えないという状況になった、とても残念だったと話す。理由の一つは利用者が残す大量のゴミと深夜までの騒音に住民から苦情が相次いだことだった。住民による警察への通報は1週間で100件を超えたこともあったという。どうすればマナーとにぎわいを両立できるのか。自治体と観光協会は、2年に渡り対策を検討した。そして今年観光協会が管理を徹底する形で河原の利用を再開した。スタッフが常駐するなどの費用を捻出するために河原を一部有料とした。さらに騒音対策として利用を午後6時までに制限した。しかし夜間のゴミの投棄は今でもなくなっていない。

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さいたま市(埼玉)奥むさし飯能観光協会飯能河原

今、キャンパーたちが長年大切にしてきた場所も同様の問題に直面している。日本単独野営協会 代表理事の小山仁さんが水から草むしりなどを行い環境を整備してきた河川敷は野営地と呼ばれ自由度が高いと人気が高まる中で異変が生じている。ゴミ捨て場もなく管理人もいない野営地。キャンプで出たゴミを持ち帰らず放置する利用者が相次いでいる。小山さんは、楽しそうなのを見ていると、この人たちが汚して帰っちゃうのかと悲しい気持ちになる、などと話していた。

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日本単独野営協会
人気アウトドアスポットに異変 トラブル なぜ多発? / 相次ぐアウトドアでのトラブル 影響は?注意点は?

ゲストはキャンプの社会的意義について研究する國學院大學の青木康太朗さん。なぜこうした事態になっているのか。青木さんはアウトドアブームの変遷は諸説があるが、第1次ブームがオートキャンプ、第2次が登山ブームと言われていて、第3次はSNSをキッカケとした多様なキャンプの広がりが特徴だという。最近はYouTube をみてキャンプを始めたという人も多いと思う、そうした中でルールやマナーを知らないままキャンプ場に来てしまうのでそれが繋がっているケースも多いと説明した。マナー違反は、他人に与える影響のソーシャルインパクトと、自然環境への影響があるエコロジカルインパクトの2つの影響があるという。特にキャンプに慣れていない人がやりがちなケースとしては家と同じように過ごしてしまうという。

急増するグランピング施設 その魅力とは?

山梨・富士吉田のグランピング施設。富士山が一望できるこの施設は冷暖房完備。露天風呂も楽しめ若い世代を中心に人気。杓子山ゲートウェイキャンプ オーナーの加々見和洋さんは、手ぶらで来ていただいて非日常感を味わっていただく、国内のお客様も海外のお客様も多くのご利用を頂いています、と話していた。グランピング施設はコロナ禍を機に注目を集め各地で開業が相次いでいるが、山梨県は今年その設置に関する取り扱いを厳格化するガイドラインを作った。山梨県県土整備部の久保正樹さんは、今年の1月1日から適用になりますが、テント工作物の取扱の見直しを行ったと説明。これまで山梨県では容易に撤去などが行えるものは一時的な使用を目的とするとしてテントと同じ扱いで建築確認が必要なかった。しかし今回のガイドラインで一時的な使用とは客が入れ替わるたびに撤去などを行うことだと明記。グランピング施設を建築物とみなすことにした。山梨県はなぜルールの見直しに乗り出したのか。キッカケの一つが住民からの訴えだった。黍野三郎さんは、昨年自宅からすぐそばにグランピング施設が建設された。住民が現地を調べたところ、施設の敷地には土砂災害特別警戒区域が含まれていた。ところが当時このグランピング施設は建築物には当たらないとされていたため、建築確認の手続きはなかた。土砂災害の危険性が高まるのではないか。住民の間で不安が広がったという。施設を運営する業者は、当時のガイドラインに沿って設置した、施設は土砂災害特別警戒区域を避け、大雨の際の排水設備も整備して不安を解消するよう務めていると回答した。山梨大学名誉教授の鈴木猛康さんは、都道府県によってグランピングを建築物とするケースとされないところがある、工作物ですと言われると建築確認が必要ないからどんどん建てられる、これが一つの問題だと指摘していた。

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グランピング富士吉田(山梨)山梨大学山梨県庁杓子山ゲートウェイキャンプ
急増するグランピング施設 各地の対応は? / 急増するグランピング施設 持続可能な開発とは / アウトドア体験の魅力とは?利便性高まる社会の中で / アウトドアレジャーのこれから “私たちが心がけること”

グランピング施設を法律上の建築物とするか否か、番組で関東甲信越地方の1都9県に聞き取りを行った結果、原則建築物と考えるとしたのが山梨県の他、長野と栃木。一方、個別のケースごとに判断すると回答したのが7つの自治体。青木康太朗は、グランピングを始めアウトドア施設は多様化してきていてブームによって加速化しているが、自治体のルールが追いついていない状況にあると思うと指摘。持続可能なといった時に何が大切かというと地元の人の理解を得ていくことがとても大切になってくるなどと話していた。アウトドアの中で注意しなければいけないのは熱中症もそうだが水辺の事故などもあり安全に楽しくキャンプを楽しんでほしいと語っていた。

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グランピング

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