2023年8月25日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
“まさか私が・・・” 「望まぬ孤独」はすぐそばに

出演者
合原明子 村山洋史 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(首都圏情報 ネタドリ!)
「孤独を感じる」4割 家族や友人がいても

16歳以上の男女2万人を対象にした調査では、孤独を感じたことがあると答えた人は4割を上回り、20代から50代で多いという結果に。

“まさか私が孤独に” 家族や友人がいても…

思いもよらず孤独になったという体験談を語る漫画家の彩原さんは友人も多く、孤独とは無縁の生活を送ってきた。状況が一変したきっかけは夫が職場でパワーハラスメントを受けたことだった。夫は鬱になり、子育てにも協力的だった夫は休職しふさぎ込むように。彩原さんは二人の幼い子供の育児と夫を支えなければいけない状態に追い詰められていったという。それまでは身近な友人たちに育児の悩みなどを気軽に相談していたが、しかし家庭の問題は仲の良い友人にも打ち明けることができなかったという。夫が休職して一年が経過し、周囲には機上に振る舞っていたが誰にも悩みを相談できない状況の中で心は蝕まれていったという。ある日吸い寄せられるようにベランダから身を乗り出していたが、その時に子供すら路頭に迷うと危惧した彩原さんは、なりふり構っていられないと相談先を探し、目にとまった保健所に駆け込んだ。担当者と出会いようやく苦しみを打ち明けることができたという。精神科の医師の紹介もうけて適切な治療をうけられたことを受けて、状況は少しずつ改善した。

“まさか私が孤独に” 気楽だと思っていた生活が…

25歳から54歳の男女1万1000人を対象に日頃の生活に寂しくても個人の自由を尊重してくれる社会とわずらわしくても人との付き合いが密接な社会があるとして、どっちの社会が良いか?との調査にはさみしくても個人の自由を尊重してくれる社会が良いと答えた人が66%だった。

自由で気楽なひとりの時間が一変したという男性がいる。孤独に悩む人たちの集まりに半年前から参加している佐々木さんは2年前に地元の札幌から上京し料理の配達員や派遣の事務員などあえて人と深く関わらずに済む仕事を選んでいた。その理由は大学卒業後に入社した会社を先輩との関係に悩んだ末に退職してしまったことだった。人間関係に振り回されるよりはと選んだ一人の生活だったが、望まぬ孤独に変わったのは仕事や私生活でトラブルが相次ぎ強いストレスに見舞われた時だった。自分の身近には弱音をはけるような人がいないことに気づいたという。このままではいけないと、佐々木さんは人と繋がれる場所やイベントを探した。バーやボードゲームの集まりに参加したが関係性はその場限りで深くはならなかった。自分はこのままひとりなのではと感じ、思いつめられていったという。誰もが陥りかねない孤独に早稲田大学の石田教授は繋がり方の変化で現代ならではの孤独を生み出しているという。

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早稲田大学渋谷区(東京)
あなたは大丈夫?“良い孤独”と“悪い孤独” / あなたは大丈夫?孤独を感じていたらどうすれば? / 最新研究で明らかに 孤独で健康被害も

村山洋史は孤独には2つの種類があり、一つは一人を楽しむという意味で個独と呼ばれるもので個人の意思で孤独を選ぶという意味で一人旅や一人の時間を楽しむ人は多いがこれは良い方。しかし孤毒は繋がりがほしくても作れずに寂しさを感じており、一人でいることが毒に感じ自殺や依存症を引き起こす可能性もあるという。また自分の状態を知ることのできるチェックリストを紹介。点数が高いほど孤独にあり、44点以上は高い孤独感を感じていることになる。村山洋史は孤独に陥りやすい年齢があり、20歳から30歳、60歳前後、80歳以降と3つの山があるという。それぞれ結婚や就職などがあり、人生の岐路に立つことが多く、変化を経験することで孤独に繋がりやすいという。また引っ越しも孤独に陥りやすく、新たにコミュニティを作ることはエネルギーが必要でなかなか入れないと孤独につながると答えた。チェックリストで高い点数が出た場合には自分の思いや感じていることを話し、家族や友人など話しやすい人に今の気持ちを吐き出すのも良いという。また近しい人には話しにくい場合は公的機関やNPOなどの相談窓口にアクセスするのも良いと答えた。また死亡リスクへの影響についても社会との繋がりが少ないとより影響してくるという。

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よりそいホットライン
社会的処方で“人とのつながり”を処方

宇都宮市では四年前から地元の医師会が社会的処方に取り組んでいる。生協ふたば診療所 の千嶋さんは孤独に対応する体制を整えてきた。この日訪れた男性は。過去に治療の途中で通院をやめるなど気がかりな点があった。体調を気にかけてくれる家族がいないのではと千嶋さんが尋ねると男性は兄弟がもうおらず、孤独になる可能性があるとカルテに気になると記した。こうした患者には病院のスタッフが丁寧に話を聞くなどし信頼関係を築くようにしている。すぐに対応が必要な切迫した状態の場合でサポートしてくれるのは診療所の2階にある行政の窓口。福祉や介護の専門職常駐している。経済的に困窮し孤立している人がいれば社会福祉士と連携し、行政の支援制度を紹介。介護の負担が大きく孤立している場合には介護に詳しいケアマネジャーがサポートに入るという。千嶋さんは取り組みを始めたきっかけに転機は当時勤めていた総合病院で50代の男性患者に対応した時に、脱水症状で運ばれてきたために治療を行ったがその原因が失業による困窮と孤立にあるときいて無力感に苛まれたという。

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宇都宮市(栃木)生協ふたば診療所

千嶋さんの診療所は市内の10を超える団体と連携している。ひとり親の支援をする団体は千嶋さんの紹介で3つの親世帯を定期的に訪問している。女性は離婚した夫の暴力で怪我やトラウマで働けず、小学生の息子と孤立状態にあった。不眠などの体調不良が続き診療所に通っていた所、問題に気づいた千嶋さんからNPOの紹介をうけた。千嶋さんたちは去年から診療所の外に出る模索も始めた。今月は夏祭りを開いて介護施設やボランティアと連携し、週二回人が集まる場を設けている。この日訪れたのは夫を亡くし一人暮らしになったという女性。趣味などをきかっけに気軽なつながりを地域に広げ、孤独や孤立の芽を見つけ出そうとしている。

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ぱんだのしっぽ宇都宮市(栃木)生協ふたば診療所
“緩やかなつながり” 地域に作るヒントは? / 身近な人が孤独に悩んでいたら できることは?

村山洋史は孤立や孤独をなくす取り組みについて多様な場作りが大切で、色々な人にとってそれぞれ好きと思える場所や心地よいと思える場所を作ることが大切。オーストラリアやイギリスでは男性が集まって大工仕事をするコミュニティが盛んで女性に比べ人と交流することが増えた男性が定年後に孤独になりやすい男性が集まっており、会話が苦手でも大工仕事を通じてコミュニケーションができるという。人と面と向かってコミュニケーションをとるのではなく、肩を並べて大工仕事をしてコミュニケーションをとることが男性にはとりやすく予防の取り組みとして注目される。また孤独に悩んでいた人がいた場合では、周囲と話やすい関係性を日常的に作っておく事が大切で普段から挨拶などをしておくことだけでもよく、この人は自分を拒否していない、認識してくれていると言うだけで相手は気楽になったりし、また孤独でも安全に暮らせる社会を必要になってくると答えた。

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