- 出演者
- 弘中綾香 矢野健太 西原直良
東京都稲城市の住宅街にあるパン店「ブーランジェリー道」。人気のクリームを挟んだクロワッサンやあんパンにメロンパン、惣菜パンまで40種類以上のパンを毎日手作り。焼きたてパンを透明な袋に入れ、冷凍庫へ。料理の仕込みを代行し、飲食業界の人手不足を解消を目指している。パンフォーユー代表・矢野健太、シコメルフードテック会長・西原直良が日本が抱える食の課題に迫る。
パンフォーユー代表・矢野健太、シコメルフードテック会長・西原直良を迎える。2017年に創業した「パンフォーユー」。全国100店舗以上のパン屋と提携し、全国にパンを配送するサブスクサービス「パンスク」を展開。1回3990円(8種類前後)。パンフォーユーがセレクトした店から毎回違うパンが送られる。可能にしたのは粗熱を取った焼きたてパンをに入れる特別な“透明の袋”。パンのデンプンの老化を防ぐ独自技術で作られている。袋に入れて冷凍すれば水蒸気や香りを1ヵ月以上閉じ込められるという。家庭のトースターや電子レンジで数分間解凍すればいつでも焼きたての状態で食べられる。常温で自然解凍も可能。早稲田大学ビジネススクール教授・入山章栄&弘中アナが試食。
空前のパンブームの中、課題は「パン店の倒産件数が過去最大」。物価高や原材料高騰などで、地方のパン店が危機的な状況に陥っている。パンフォーユーでは全国の消費者がパン屋に感想をフィードバック。パン屋にとってはモチベーションアップやレベルアップ、地域での売り上げアップに繋がるという。また、実験的なパンをパン好きの消費者向けに作る事が出来る。パンフォーユー代表・矢野健太のスタジオコメント。
パンフォーユー代表・矢野健太は群馬県太田市出身。新卒で東京の広告会社に就職するタイミングで東日本大震災の影響を受けた。地元に貢献したい思いで東京で勤務。25歳の時に会社を退職し地元に戻り、地元のパン屋さんの美味しいパンと出会った。焼きたてパンを冷凍販売する事業を開始。サブスクを始める際、パン屋とは高校のOB伝いに繋がった。毎月発注・買取で関係性を構築。矢野は「パン屋さんから始まるとこのビジネスをやっていなかった」と話す。
飲食業界が抱える最大の課題は、人手不足。コロナ禍以降、従業員の数は減少傾向にあり、現在でも飲食店の倒産件数は年々増加。解決しようとしているのは、シコメルフードテック会長・西原直良。東京・青山「THE BELCOMO」の人気メニューは「ベーコンチーズ淡路牛バーガー」。パティはレストランで作っていない。シコメルフードテックが作り毎日配送。店舗では焼いて盛り付けて提供。15種類以上の香辛料を使う東南アジアの代表的な麺料理「シンガポールラクサ」のスープもシコメルフードテックに依頼。現在取引店舗は8000店舗以上。西原は「包丁無しでも店が出来る。セントラルキッチンが誰でも持てる」と話す。シコメルフードテックは全国に100以上の提携工場があり、スキマ時間を利用しているという。THE AOYAMA GRAND HOTEL総料理長・毛利周太のコメント。
シコメルフードテックの提携工場の1つ、セルビスフーズ岸和田工場(大阪)に潜入。普段は冠婚葬祭用の仕出し料理を製造しているが、空き時間を利用していつもと違うものを製造。工場側でも小ロットの発注がスキマ時間を埋め、生産効率を上げている。唐揚げは冷凍して香川県のキッチンカー「Crispy JIJI Chicken」(ジジチキ)に提供。「バリューチェーンの分断」について、早稲田大学ビジネススクール教授・入山章栄が解説。バリューチェーン(原材料、製造、流通、販売)を1つの会社でやるのは非効率とし、シコメルフードテックは仕込みにだけ特化することで効率性をアップ。工場長・大瀬戸美生のコメント。
シコメルフードテック会長・西原直良は大学生の時に西友フーズを創業。焼肉のタレを製造。事業は軌道に乗り収入もアップ。ある会社との出会いが西原を大きく変えた。ネットで簡単に印刷物を注文出来る印刷通販サイト「ラクスル」。2009年創業、現在400億円以上を売り上げている。ラクスルはチラシなどを作る全国の印刷会社がペーパーレス化で危機的な状況となっていた。全国の印刷会社と消費者をマッチングさせ、印刷会社の売上増、格安での発注に繋がった。シコメルフードテックはラクスルのビジネスモデルを参考にしたとのこと。西原は創業時に株主構成を自身が過半数以上取らず、過半数未満からスタート。西原は「お金儲けでは無く食品業界に貢献したい」と話す。
「ツーサイドプラットフォーム」とは、課題を抱えた者同士を繋ぐこと。パンフォーユーはパン好き×パン屋、シコメルフードテックは食品工場×飲食店。
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