2024年7月18日放送 0:35 - 1:25 NHK総合

NHKスペシャル
永田町“政治とカネ”の攻防 〜改革のゆくえは〜

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永田町“政治とカネ”の攻防 〜改革のゆくえは〜
岸田首相に問う 政治家の”意識”

岸田総理がインタビューに応じた。国民に政治不信を引き起こしてしまったことは自民党総裁としてお詫びを申し上げないといけない、議員や秘書の中に違和感や問題点を感じていた人たちも少なからずいた、コンプライアンス意識の欠如あるいは政治は特別といった意識があったのではないかなどと述べた。

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岸田文雄自由民主党
実態解明どこまで 安倍派議員に問う

自民党は関係議員への調査を実施。安倍派や二階派の現職国会議員82人がノルマ超過分のキックバックを正しく記載しておらず、派閥からの指示だったという声が相次いだ。安倍派・菅家一郎衆院議員は5年間で1289万円のキックバックを受けていた。その金は自分からの寄付として事実と異なる記載をしており、寄付に伴う税の控除も受けていた。キックバックで得た資金の大半は事務所運営に充ててきたという。安倍派の座長を務めていた塩谷立衆議院議員は離党勧告を受け、現在は無所属で活動している。塩谷氏は街頭で地元の有権者に自らの潔白を訴えた。「派閥からの指示」について塩谷氏は不記載というのは今回初めて知ったためなんで不記載にしたのか理由がわからない、誰がをこれを考えて主導してきたのか見えないと述べた。党全体の責任については、総理・党幹部の責任も大きい、そこを外して誰かを処分しようというあり方で来たのも疑問に思っていると述べた。

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塩谷立浜松(静岡)福島県自由民主党菅家一郎
実態解明どこまで 自民党の”責任”は

関係議員の調査や処分にあたった茂木幹事長がインタビューに応じた。政治不信が払拭できたとは思っていない、政治改革というのはこれで終わりというのはなくこれからも不断の改革努力を進めていかなければいけない、自民党や日本の政治全体が変わっていくことを国民に感じていただくのが重要と述べた。

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自由民主党茂木敏充
”この30年は何だったのか”

東京大学元総長の佐々木毅氏に話を聞いた。一体この30年間は何だったのか、政治家たちが問題を真剣に議論し交渉し改善するという機会がなかったままに過ぎ去ってしまったと話した。かつてリクルート事件をきっかけに政治に対する国民の怒りが湧き上がり、金権政治の打破を目指して平成の政治改革が行われた。佐々木氏は様々な提言でリードしてきた。選挙の費用を抑えようと小選挙区制度を導入。国民1人250円の負担で政治資金をまかない公正な政治を実現しようと、政党交付金も設立された。佐々木氏は法の抜け穴をつく形で問題は繰り返されてきたと指摘した。

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リクルート事件政党交付金東京大学
”派閥解散” 自民党は変わるのか

自民党政治を形作ってきた派閥そのものにも矛先が向かった。岸田派をきっかけに他の派閥も相次いで解散を発表した。二階俊博元幹事長がインタビューに応じた。派閥の解散を決めた背景を聞かれ、二階氏は「派閥が悪いって一生懸命みんながワーワー言うから、ならやめたらいいじゃないかって。こういうことですよ」と答えた。平成の政治改革で自民党は全派閥を解散したが、その後次々と復活し自民党の権力闘争の拠点となり続けた。二階氏は派閥がない純粋な水みたいなのが集まってもなんのパワーにもならない、派閥というものをどう活用していくかが大事、我々も若い頃「カネあるか」と聞かれ政策を聞く人は誰もいなかったと話した。幹事長在任中に50億円の政策活動費が支給されていたことについては「50億もカネ使って」と怒ってくる人は誰もいない、私が幹事長のときよりもたくさんカネを必要とした時期がある、そういう時期と比べて政治にカネがかからなくなってきたことも事実と述べた。次の衆院選挙には立候補しない考えを示している二階氏は、時代に合わせて政治は変わる必要があると口にした。

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二階俊博自由民主党
民主主義のコスト 誰がどう担うか

2022年の各党の収入の内訳を見ると、共産党以外は政党交付金を受け取っていた。自民党は寄付で1割ほどをまかない、共産党や公明党は事業収入の割合が高くなっていた。立憲民主党が提出した政治資金規正法改正法案は発端となった政治資金パーティーを禁止し、さらに企業団体献金も禁止するとした。法案の取りまとめを担った落合貴之衆議院議員は、30年間国民に対して政治家がごまかしてきたことを整理して掃除していかないといけないと話した。政治資金の減少につながりかねない法改正に慎重な姿勢をとった自民党は、当初から連座制の導入など再発防止につながる改革に重きをおいて議論を進めた。自民党案の取りまとめにあたった鈴木馨祐衆院議員は、問題の本質は一部の派閥で不記載が行われていたことで政治資金の集め方の議論は今回の法改正の議論とは切り分けるべきと主張した。落合氏は初当選以来、政治資金パーティーを開かず企業団体献金も受けずに活動し、個人献金を政治活動の支えの一つとしてきた。自民党の牧原秀樹衆議院議員は、政治資金を集めにくくなると資産に余裕のある人しか政治家になれなくなると主張した。牧原氏の支持者の中には、企業も政治資金の担い手になるべきという人もいた。

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政治資金規正法改正 交錯する思惑

公明党は政治資金の透明性を高めることを主張し、政治資金パーティーについてはパーティー券の購入者の氏名などを公開する基準額を現在の20万円超から5万円超に引き下げることを掲げた。クリーンな政治を掲げる公明党だが、国政選挙での得票数はピーク時から減少しており支持者の繋ぎ止めが課題となっている。自民党はパーティー券の公開基準額を求め通りに引き下げることに否定的で、鈴木氏は政治資金を幅広く集めるためには一定程度の匿名性を担保する必要があると主張した。そんな中立憲民主党の幹部がパーティーを開こうとしたことについて、落合氏は審議中は控えてほしかった、審議がピークの時に幹部がパーティーをやるというのは国民的理解は得づらいと話した。インタビューに応じた泉代表は立憲民主党の案は理想でもなければ高いボールでもない、禁止をすればみんなでルールを守ればいいだけの話、これまでの資金源をつなげていきたいという考えでは政治は何も変わらないなどと述べた。自民党内には公明党や野党の主張を飲むことへの反対意見が根強くあったが、岸田総理大臣の一存で公明党の求め通りパーティー券の公開基準額を5万円超に引き下げることにした。公明党の山口代表は、このままでは国政選挙に影響が出かねないと岸田総理に伝えていた。日本維新の会が主張する政策活動費の使途公開なども飲み込んだ。衆議院では法案に賛成した日本維新の会だったが、旧文通費の改革が果たされなかったとして参議院では反対に回った。

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政治と国民の”溝” 埋められるか

佐々木氏は有権者の姿勢も問われている、政治とカネの問題は常に有権者に緊張感をもって政治家との関係を考えろと教えている教材みたいなもの、現実を直視するスタミナをもつことが大事と語った。立憲民主党・泉代表は新たしい政権でこそ自民党政権でできなかった政治改革を前に進めることができると述べた。日本維新の会・馬場代表は政治資金は抜本的な改革をやるべき、税金で暮らしをさせていただいている方が先に厳しい部分をのみ込むと述べた。公明党・山口代表は国民生活に優先度が高いことをしっかりやっていく必要があると述べた。自民党・茂木幹事長はまずは経済の再生、政策を前に勧めて結果を出すことが国民の信頼回復につながると述べた。総裁選について聞かれた岸田総理は今は目の前の課題に答えを出すことに専念しておりその先は考えていないと答えた。

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エンディング

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