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東京・六本木では松任谷由実の足跡を辿る展覧会が開催されている。今年はベストアルバムをリリースし、37万枚以上を売り上げ、70年代から2020年代までランキング1位に輝いた。日本の音楽史上初の快挙となった。デビューから50年を迎え、松任谷は原点である荒井由実とじっくりと向き合う。
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- ユーミン ミュージアム六本木(東京)
松任谷由実が荒井由実の名前でデビューしたのは1972年で、心象風景を空や雲、雨というモチーフで描いた歌詞、斬新なコード進行、繊細なメロディーで彩られたサウンドなど新たなポップスとして高い評価を受けた。今回、松任谷は八王子にある実家を再訪した。6歳の頃からピアノを習い、中学生の頃から作曲を始めていた。実家は大正元年創業の老舗呉服店で、作曲をしていても家族は放任していたという。通っていた立教女学院はキリスト教系で厳格な校風だったなか、松任谷はブリティッシュ・ロックに夢中になっていた。
グループ・サウンズに惹かれた松任谷は夜間に外出し、朝帰りしてそのまま通学していたという。殊に衝撃を受けたのがプロコル・ハルムの「青い影」で、キーボード中心のロックバンドだった。クラシック音楽の影響も受けていたという。松任谷は作り手になりたいと思うようになり、オルガンサウンドを全面に出して作ったのが「翳りゆく部屋」だった。
高校時代、松任谷は独学で作曲を続けるなか、美術大学に進学すべく家庭教師のもとで絵を学んだ。絵を描くことは音楽の勉強につながると信じていたといい、下手に音楽理論を学んでいたら自分だけの感覚が失われてしまいそうな気がしたという。スケッチやデッサンの隙間には歌詞を書き留めていた。
1972年7月5日、松任谷は荒井由実としてデビューするも、シングル曲は300枚しか売れなかったという。翌年、キャラメル・ママとアルバムを制作し、「ひこうき雲」が生まれた。デビュー40周年の際、オリジナルメンバーと演奏している。
実家は老舗呉服店とあって母は家業に忙しく、松任谷由実の身の回りを支えたのがお手伝いさんの宮林秀子さん。血の繋がりは無かったが、無償の愛を捧げてくれ、松任谷の音楽活動も応援してくれた。デビューから4年後、松任谷正隆と結婚。実家を後にする際、秀子さんとの別れが最も辛かったという。
松任谷正隆との結婚の際、松任谷由実は「『お互いの才能を独占したくて、一緒になります』って言ってるんです」と明かした。
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- 松任谷正隆
松任谷は音楽理論など解さず、手探りでサウンドやコードを模索し、小躍りしたこともあったという。「中央フリーウェイ」のサウンドを支えたのがリーランド・スカラーで、50曲以上、松任谷のレコーディングに参加してきた。スカラーは「中央フリーウェイ」について、「目を閉じると、パシフィックコーストハイウエーをコンバーチブルで走っているのが見えます」などと語る。松任谷は同曲を収録した「14番目の月」について、「自分たちのキャリアの中ではあれがあったから、その後が続けられた」と振り返った。
78年から81年まで、松任谷は毎年、2枚のアルバムをリリースしている。ビジュアル面で手を組んだのがアートデザイン集団、ヒプノシス。ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンなどのジャケットを手がけ、81年に発表された松任谷のアルバム「昨晩お会いしましょう」に関わっている。
「守ってあげたい」は女性が男性を守るという世界観を描いていて、ヒプノシスは歌詞からインスパイアされて「voyager」を手がけた。都会のビル群に水辺が張られ、もがくように泳いでいるのは松任谷自身。同曲が収録された「ガールフレンズ」では男性と対等に生きるポジティブな女性が描かれている。86年、男女雇用機会均等法が施行され、女性キャリア採用がスタート。松任谷の曲は女性たちにとっての応援歌となった。「SWEET DREAMS」では失恋の痛みを振り切ろうとする女性に寄り添っている。
87年、映画「私をスキーに連れてって」が公開され、若者の間でスキーブームが巻き起こり、松任谷のアルバムはクリスマス商戦を盛り上げた。「天国のドア」は197万枚を超える売り上げを記録。日本ゴールドディスク大賞にも輝いている。
社会現象を起こすほどの存在となった松任谷はプレッシャーを感じ、音楽活動は一種の逃避だったという。90年代を代表する名曲が「春よ、来い」で、世界中の民族音楽をサウンドに取り入れた。松任谷曰く、和だけじゃなく、ロシア民謡、フォルクローレのようにも聴こえるという。
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- 春よ、来い
2005年、松任谷由実は紅白歌合戦に初出場し、アジアのトップアーティストたちと共演。2018年の紅白では「ひこうき雲」、「やさしさに包まれたなら」を披露した。50周年を迎えた今年、松任谷は「松任谷由実 with 荒井由実」として出場する。今年、発表された「Call me back」はもともと、80年代にレコーディングされていたが、未発表だった。最新のAI技術で荒井由実の歌声が再現され、松任谷が歌詞を描き下ろした。
松任谷由実が歌う「Call me back」の映像が流れた。最新技術により、荒井由実の歌声も再現されている。
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- Call me back松任谷由実
今回、「空と海の輝きに向けて」の未発表音源が見つかり、松任谷が聴き入った。ここまでやって来れたのは「世のため人のため、音楽をやるのも悪くない。そういうミッションがあったのかなって思います」と振り返った。
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- 空と海の輝きに向けて
エンディング映像。
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