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オープニング映像。
福岡・北九州市に住む加茂渚ちゃんは2017年7月14日生まれ。両親&姉と4人暮らし。なぎちゃんと呼ばれ、一家のムードメーカーとして家族を笑わせていた。異変が起きたのは2022年7月。七五三の写真を撮影していた渚ちゃんは右手が上がらず、握力が弱っていて手に持った物を落としてしまった。産業医科大学病院を受診して告げられた病名は「小児脳幹部グリオーマ」。脳幹に腫瘍ができる小児がんの一種。手術で取り除くことは難しく、抗がん剤もほとんど効かないとされる。2年生存率は10%しかなく、余命1年と告げられた。なぎちゃんと家族の9カ月を追った。
小児がんの一種「小児脳幹部グリオーマ」と診断された加茂渚ちゃん(5)は2022年8月に入院。本人には「頭に悪いばいきんがいるからやっつけようね」と伝えた。完治は難しく、一時的に症状を改善する放射線治療しかできなかった。厳しい治療を懸命に受けたなぎちゃんの体調は劇的に改善して9月に退院。10月には幼稚園の運動会に参加した。12月になると放射線治療で改善していた右手・右足の麻痺が再び進行し始めた。脳腫瘍が再び大きくなったことが医師から告げられ、両親は放射線の再照射を決断した。姉・玲良ちゃん(7)に本当の事を伝えた。2023年1月になると病状は一時的に改善したが、2月には新たな腫瘍が見つかった。意識があるうちに会いに来て欲しいと連絡を受けた取材スタッフは3月3日に自宅を訪れた。姉が顔を擦り寄せると得意の変顔で応じた。
懸命な治療とリハビリで外出できるようになったなぎちゃんは幼稚園の修了式に出席した。翌日は家族で遊園地を訪れた。大好きなたこ焼きを食べ、メリーゴーラウンドに乗った。それから1ヶ月後の2023年4月30日になぎちゃんは5歳で永眠した。
なぎちゃんが永眠してから5カ月ほど経った去年10月9日、母・美咲さんと姉・玲良ちゃんは小児がんの子どもたちを支援するためのレモネードを販売する取り組みに参加していた。なぎちゃんの命を奪った病気が治るようになってほしいと願っている。美咲さんのペンダントにはなぎちゃんがいる。1年早く買ってもらったランドセルをとびきりの笑顔で抱えていた。
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- 北九州市(福岡)小児脳幹部グリオーマ
「NNNドキュメント」の次週予告。