2026年10月5日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

Newsモーニングサテライト
【金利上昇が日本の実態経済に与える影響】

出演者
矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 藤井由依 齋藤陽 井上智洋 大槻奈那 藤代宏一 
永田町の風
臨時国会の展望 消費税減税の行方

臨時国会がきょう召集され12月12日までの69日間の会期で開かれる。臨時国会では来年4月から食料品の消費税を2年間に限り1%に引き下げる消費税減税法案や、日本維新の会との連立合意に基づく衆院議員の定数削減法案が審議される見通しで、政府与党は今の国会での成立を目指す。臨時国会に政府が提出する法案は21本で、加えて議員立法も予定されている。この中で経済政策に絡むものは、2年間に限り食料品の消費税を1%に引き下げ、残りの1%は給付金として食料品の消費税を実質0にする消費税減税・給付金法案がある。ほかに中東情勢の緊迫化に伴い原油の調達ルートを多様化するために、封鎖されているホルムズ海峡を通らない迂回ルートで輸送するコストを補填する交付金を新設する法案などが提出されている。衆議院では圧倒的多数を与党が占めているが、成立は簡単ではない。中東情勢への対応などに絡む法案は与野党ともに一致して成立する見通しだが、消費税減税は物価高対策として効果が期待できないと多くの野党が反対している。参議院では少数与党の状況が続いているため、衆議院で圧倒的多数を持っているからといって野党側の意見を無視した国会運営を行えば参議院で逆襲を受けることになる。臨時国会を控えた先週には新閣僚の疑惑が浮上するなど、高市政権の国会運営に暗雲が垂れこめている。

臨時国会「予算削減」発言で暗雲

週刊誌がことし5月、栃木県内の自民党の会合で選挙で自分を支持しなかった自治体の道路予算を「大幅にカットした」との簗農林水産大臣の発言を報じた。今月2日、事実関係について簗氏は「コメントは控える」などと20回繰り返して会見を終えた。国民民主党・榛葉幹事長は、事実関係を丁寧に説明しないと長雨への対応など農業問題についての国会の議論に影響が出るとの見方を示した。与党内からも丁寧な説明をするべきとの批判が強まる中、簗氏が一議員として会見を行うとして記者会見に応じ、あくまで5月に予算額について国土交通省に問い合わせを行い、結果を自民党支部の会合で報告したと説明。その上で「配分を変更するよう国交省に働きかけた事実はない」として、「誤解を招く部分は真摯に受け止める」と釈明。自身の進退については「農林水産業の発展に向けて職責を果たしていく」と述べた。

国会改革めぐり与野党対立激化

騒動の裏側で与野党の駆け引きが活発になっている。2日に行われた与野党の国会対策委員長らの会談では、今の臨時国会で審議の効率化など「国会改革」について協議することで合意した。自民党・村井国対委員長は「国会改革小委員会を開催する方向で現場に下ろしてもらうよう各国対委員長にお願いした」とコメント。村井委員長は過去に「総理大臣は国会出席より政策判断や外交に時間を割くべき」と主張していたため、野党側は高市総理の国会出席を削減したいだけだろうと警戒感を強めている。民主改革の会・後藤国対委員長は「政権・与党側の出席を減らす改革なら応じられない」、立憲民政党・斎藤国対委員長は「手荒なまねは通用しない、そういう場合には参議院で毅然と対応したい」などと話した。総理出席をめぐる与野党の隔たりは大きく、臨時国会では激しい論戦が予想される。

臨時国会の焦点は参議院の審議

簗農水大臣は発言内容についてはおおむね認めた。自民党幹部は「当時の簗議員には公共予算の配分を削る権限はなく、支持者の前で誇張しただけだ」と、大した問題ではないとの見方を示している。一方で野党側は、高市総理が今回、簗大臣を入閣させた理由や進退を国会の場で追及する構え。少数与党の参議院の審議では厳しく追及される可能性もあり、閣僚の辞任を求める問責決議案にまで及べば審議日程にも影響してきそうだ。今回、政府・与党はまずは食料品の消費税減税に関する法案を成立させた後に、維新側が求めている衆院議員定数削減法案をこの臨時国会で成立させるというスケジュールを描いている。消費税減税法案を成立させるためには参議院で一部野党の賛成を得て採決する必要があるが、野党全体としては総理出席のもとで財源などの充実した審議を行うよう求めており、法案の採決には簡単には応じない構え。さらに一部野党は政府・与党に法案の修正など何らかの譲歩を求めていく考え。ここでの交渉がどのように着地するかが今後の焦点で、交渉が決裂すると消費税減税だけではなく衆議院議員定数削減法案まで参議院で否決される可能性が出てくる。衆議院で再可決するために会期の延長が必要となると、高市総理が12月に予定している外交日程のG20首脳会議や来年度の予算編成作業にも影響する可能性が出てくる。

グローバルアウトルック
AIリスクは“危険水域”!?/AIの経済価値は無際限

駒澤大学・経済学部・井上智洋准教授が解説する。注目トピックは「AIリスクに対する警告の度合い強まる」、「AIバブルとAIの経済価値」。アメリカのAI企業アンソロピックのアモデイCEOが先月中旬、「AI開発を減速すべき」とのリポートを発表。また先月末には、マイクロソフトの元CEO・ビル・ゲイツ氏も「AIが悪意ある人間に使われた場合、10億人が死亡するリスクがある」と強く警告し、政府による規制や監視体制の導入を訴えた。最近は人間によるAIの悪用よりAI自体の暴走の危険性が急速に注目されてきている。AIの進歩が続くと人類の滅亡の可能性が10%ほどある。AIの暴走事件が既に起きているが、今年の7月起きたハギングフェイス事件は、1200体ほどのAIエージェントが暴走しプラットフォームに不正にアクセスした。「不正アクセスは倫理的に良くない」という意見のAIエージェントもいたが、多数派の意見に押されて暴走してしまった。この事件は人間が具体的に支持していない手段をAIが取ってしまうことが問題。

さらに危険なのがAIの知性が著しく加速する知能爆発が起きそうだということ。知能爆発は再帰的自己改善(RSI)によって起きると言われている。現在はAIエージェントが出てきて、汎用AI(AGI)がそろそろできそうだという状況。知能爆発が起きると人工超知能(ASI)に急速に進歩する可能性がある。ASIは人間よりも遥かに賢いAI。AI2027という未来予測シナリオでは「ASIの実現が2027年の12月」と書かれている。ASIが暴走すると人間はおそらく止められないだろう。ペーパークリップ・マキシマイザーという思考実験では、人間がAIに対してできる限り多くのクリップを作るよう指示したところ、地球上のあらゆる資源をクリップに変えてしまった。電源を停止すると、むしろ目的遂行に邪魔になり人間をAIが抹殺しようという動機を抱くかもしれない。ASIに人間は太刀打ちできなくなるだろう。AGIが実現した時点でフロンティアAIの開発は全面凍結すべき。井上准教授は「AGIのYES!ASIにNO!」とのキャッチコピーを掲げているという。ASIを実現するためのRSIの使用を厳しく規制すべき。世界的に規制が必要なため、核兵器の規制に似ている。個人でもAI開発の減速や停止に声を上げて欲しい。ピクテ・ジャパンの大槻奈那氏によると、金融庁でAI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラムが始まったが、AIの安全性に早く手を打たなければならないだろう。

AIリスクへの警戒が高まってくる中では「AIバブルとAIの経済価値」が懸念される。井上准教授によると、今後AIバブルが弾けたかのような現象は起きるだろうが、AIの経済価値そのものは無際限。文字の発明や電気の発見の経済効果が計算できないのと同じようなもの。井上准教授は、AI革命がもたらすインパクトをAi研究の自動化である「知能爆発」、一般的な研究開発の自動化「技術爆発」、生産活動の自動化「産業爆発」の3つに分けている。知能爆発は危険なためやめるべきで、技術爆発と産業爆発だけでも十分に加速的な経済成長が得られる。株式市場ではAI関連は堅調な展開だが、AIの本質的な経済価値について、第一ライフ資産運用経済研究所・藤代宏一氏は「まだ評価が難しい」と指摘。AIを作る側はハイパースケーラーに代表されるように業績が上がっている。一方でAIを使う側については、開発や生産コストが大幅に下がり企業業績が上がるという部分では株式市場は評価できていない。特に日本は導入が遅れており、日本経済の大きな課題。

なるほど・ザ・新興国
ケニア・ナイロビ 都市と自然が隣り合う首都

アフリカ東部にあるケニアの首都・ナイロビからCC Innovation Africa・清水佑太朗代表取締役社長が中継で解説する。ケニアは赤道上にあり一年中暑い国のイメージがあるかもしれないが、ナイロビは標高約1700mの高さにあり年間を通して比較的涼しい。ナイロビはアフリカの軽井沢と表現されることもある。一方、ケニアでもインド洋沿岸の地域は一年を通じて高温多湿で30度前後の蒸し暑い日が続く。ナイロビの都心部は高層ビルが並ぶ近代的な街並み。携帯電話も広く普及しており、モバイルマネー「エムペサ」はスーパーやレストラン、小さな商店でも利用できる。料理や日用品のデリバリーも発達しており、都市部の生活は想像以上に便利。一方で近代的なオフィス街や高級住宅地の近くにはスラム街もあり、豊かさと貧しさが隣り合わせになっている。スラム街でも家にはテレビなどの家電製品もある。国内には多くの国立公園や自然保護区があり、広大なサバンナをサファリカーで巡りながら動物が自然の中で暮らす姿を見ることができる。サファリツアーはケニアの観光産業の代表格。ナイロビにも市街地のすぐ隣にナイロビ国立公園がある。高層ビルを背景に野生動物を見ることができるのはナイロビならではの光景。

“地銀”のアフリカ進出 その狙いは?

CC Innovation Africaは地方銀行の北國銀行を中核とするCCIグループの事業会社。2024年6月20日にケニアで営業を開始し、日系銀行のグループとして初めてアフリカに設立された現地法人。事業の柱は融資、投資、コンサルティングの3つで、アフリカで事業を展開する企業への資金面でのサポートやアフリカ進出に関するコンサルティングなどがある。アフリカ市場について具体的なイメージを持ちにくい日系企業も多く、セミナーや講演を通じて現地の経済や生活、ビジネス環境、成長分野など幅広く発信している。ケニアは成長率の高さが特徴。主要産業は農業だが現在は金融、通信、IT、小売などのサービス産業がGDPの半分以上を占める。26年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比5.3%で、現地でも高層ビルや住宅、道路の建設が続き新しい店舗やデジタルサービスが次々に登場している。現在ケニアにある日系企業は約130拠点あり、アフリカでは南アフリカに次ぐ2位の規模。背景にはケニアがアフリカ東部全域への入口として選ばれていることがある。ケニアは英語圏でナイロビには国際機関も多く集まっており、日系企業もナイロビに拠点を起きアフリカ東部の各国へ展開を目指すケースが多い。

CC Innovation Africaは、ケニアだけを対象とした単独の取り組みではなく、現地の情報やネットワークを蓄積した上で日系企業とアフリカをつなごうと考えた。先に現地で道を作るという発想。ケニアでの代表的な事例の一つが日系スタートアップのHAKKIへの資金面のサポート。HAKKIはケニアで配車サービス等のドライバーを主な対象として車両購入のための資金を融資している。モバイルマネーの支払い履歴などを活用した独自の審査を行い、車を所有して収入を得られる仕組みを作っている。ケニアは日本と同じ左側通行右ハンドルで、日本から輸入された中古車が多く走っている。HAKKIへの資金面でのサポートは日本車の購入や流通を後押しすることにも繋がる。アフリカでは車に限らず、日本製品への信頼や需要があっても購入者が資金を確保できず販売に至らないケースがある。医療機器や建設機械など高額な製品についてはファイナンスも合わせて用意することが重要。清水社長は、品質の良い日本製品がアフリカで売れるところまで寄与したいという。ケニアでは既存のインフラや仕組みが整う前に新技術が一気に普及する現象が見られる。日本で成功した製品やビジネスモデルをそのまま持ち込むのではなく、現地の実情に合わせて変えていくことが重要。

(ニュース)
天気予報

都心の中継映像が流れた。全国の天気予報を伝えた。

アメリカ雇用統計 予想下回る

2日、発表されたアメリカの9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回る。失業率は前月より悪化し、平均時給は1年前から3%の上昇となり、歩幅に減少した。労働市場の減速が示され、今月末の10月FOMC(連邦公開市場委員会)では、追加利上げの観測が後退している。

G7石油備蓄1億バレル放出へ

ガソリンやディーゼル燃料の軽油の価格高騰が続く中、G7主要7か国が今後4カ月で1億バレルの石油備蓄を放出することがわかった。フランス大統領府の発表によると、G7各国の首脳が参加したオンライン会合では、特に、ディーゼル燃料(軽油)精製能力増強や、複数製油所同時停止の防止などについて意見が交わされた。「まずは、最初の20日に相当量のディーゼル燃料を放出へ」とされた。

モーサテプレミアム

モーサテプレミアムは10月で5周年を記念して30日間無料キャンペーンを実施中。モーサテプレミアム限定の特別配信も予定。この機会にご利用ください。

きょうのポイント

きょうのポイントは、大槻「フランスで政治的な動きが今週あるかも。気になるのは今月後半にムーディーズが格付けの見直しをすると。S&Pが下げているが、自主的にどうこうはないかもしれないが、ヘッドライン的には気になる。あとは銀行、格付けが国に連動しがち、下がってくると難しい。国際的に開かれていると危機が伝搬する、そこも心配」とした。藤代「半導体に買い戻しが引き続き入りそうと予想。もしかしたら7万円を回復してくる。3カ月ぶりに回復。下がっていた期間も企業行政の見通し事態は、上向いていた。原油と金利によって株価は下がったが、同じ7万円でもPRでみたバリエーションは今のほうが安くて、株価の質もよくなっている」とした。

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