名店女将の奮闘記に迫る。最初は東京三田にあるおさかな料理すしかね。お客が待ち焦がれていたのは旬の魚がたくさん詰まった海鮮どんぶり。この料理をつくっているのは女将の小野百合子さん。寿司職人歴は20年以上。開店は午前11時30分。ランチのときは調理、配膳などすべて1人で行っている。午後2時にはランチが終わり、すぐに夜の料理の仕込みが始まる。小野さんの祖父母は寿司兼という店を営んでいた。祖父の姿を見て大学に通いながら夜間の調理学校にも通いはじめた。さらにアルバイト先も祖父母の店でアルバイトしていた。小野さんは職人の道を歩み、1977年に区画整理で店の立ち退きが決まった。祖母からは暖簾を継いでほしいという思いがあり、小野さんは継ぐ決意を決めた。3年後にすしかねの店をオープン。地域に根付いた店となった。一方長時間の立ち作業により、小野さんは下肢静脈瘤の病気になってしまった。しかし夫の浩平さんや息子の秀時さんが書いた絵を見ることが支えになっている。