NHKスペシャルの「父ちゃん母ちゃん、生きるんや 大阪・西成」の映像を紹介。小学校2年生の香菜ちゃん、彼女はお父さんと2人暮らしだが、前の年から入院しているという。お父さんはアルコール依存症で肝機能が低下、この1週間意識も朦朧としていた。この時かなちゃんは近所の児童館「こどもの里」に身を寄せていた。大阪市西成区の通称「釜ヶ崎」と呼ばれる地域、3万人の日雇い労働者が住み、簡易宿泊施設が密集している。児童館「こどもの里」はこの地域の一角にある。民間施設であるこどもの里、館長である荘保共子さんはともに寝泊まりしている。ここにいる子どもたちは様々な事情があって親と離れて暮らしている。香菜ちゃんは時々自宅の掃除を行う。香菜ちゃんは両親が幼い頃に離婚、祖父母の家で育てられてきたが、6歳のときにお父さんと暮らし始めた。当時お父さんはアルミ缶を拾って生計を立てていたという。その後屋台を開いたお父さんを香菜ちゃんは手伝っていた。しかしお父さんはくも膜下出血で倒れ、そのストレスを酒で紛らわすようになった。そこからは炊事などを香菜ちゃんがこなす日々。そんなある日、香菜ちゃんのもとにお母さんから自分のところに来ないかという手紙が届けられる。お父さんの病状は落ち着き始め、毎日のように面会に訪れる。お父さんは香菜ちゃんを自分のそばに置いておきたいと首を縦には振らない。荘保さんは香菜ちゃんのお父さんに九州に一緒に帰ってはと勧めた。2002年3月、香菜ちゃんのお父さんは退院。お父さんは九州の実家に帰ることを決断した。2人は退院祝いに出かけた。2人が九州に帰る日が訪れた。香菜ちゃんがお父さんを支え続けたことで、お父さんはもう一度人生を考え直した。