大子町で生産される「大子那須楮」は繊維が細かく、絹のような滑らかな和紙ができるとして福井県の「越前和紙」などの産地から評価が高く、原料として使われている。この時期になると町内ではこうぞの皮を剥き、和紙の原料を作る作業が最盛期を向かえる。このうち農家の齋藤邦彦さんの作業場では、近くの農家の人達が集まってこうぞの枝を釜で1時間半ほどかけて蒸して柔らかくした後、皮の部分を丁寧に剥いて15キロ毎に束にしていた。そして包丁を使って更に皮の部分を削ぎ取り、残った繊維の部分を取り出している。繊維の部分は数日間乾燥させた後、和紙の原料として3~4月ごろにかけてまとめて出荷されるという。齋藤邦彦さんは「紙すき屋は家族同然で、出来るだけいい製品を作って送る」などと話した。