イタリアンシェフ・落合務さんは1980年代初めに本格イタリアンをいち早く紹介した草分けとして現在まで活躍。3年前、悪性リンパ腫ステージ4と診断された。療養生活の中、料理人として新たな境地も開けた。落合さんのいちばん古い記憶はマヨネーズ。日本に進駐していた米国軍が持ち込んだものだった。17歳のとき、料理の道に進む。フランス料理店で働く中、転機が訪れたのは31歳のとき。店のオーナーから当時まだなじみのなかったイタリア料理を日本に広めたいとイタリア行きを命じられた。およそ3年間、イタリア各地のレストランで修業し、本場の料理を学んだ。帰国後、新しくオープンする本格イタリアンの料理長に任命された。本場の料理は日本人にはなかなか受け入れられず、日本在住のイタリア人が故郷の味を求めてお店に通うようになり、徐々に評判になっていった。メディアでも取り上げられるようになり、空前のイタ飯ブームが巻き起こった。2021年に悪性リンパ腫ステージ4と診断され治療を行う。食生活を見直し、野菜を多く食べるようになったという。レストランのように食材がそろわない中、いかに本格的なイタリアンが作れるか、試行錯誤を重ねたレシピをまとめた本をことし2月に出版した。10分でできる本格イタリア料理「トマトソースパスタ」を紹介。オリーブオイル・にんにくを中火にかけ、トマトジュースを入れて強火にする。たっぷりの塩でパスタをゆでる。塩をひとつまみ入れてソースが完成。火を止めてパスタ、バター・チーズを入れて混ぜて完成。