日本の海産物は、税関当局による放射線検査の影響で輸入がストップしている。発端は福島第一原発の処理水の海洋放出計画。処理水は放射性物質“トリチウム”の濃度を大幅に薄め、夏に放出する予定。これに中国が反対していて、既に日本の海産物への全面的な放射線検査を開始している。影響は海産物を超えている。処理水放出の懸念が高まった4月頃から日本の商品の輸入が滞るようになったという。中国・大連にある日系ラーメン店では、スープのだしに使う食材が手に入りにくくなっているという。北京にある日本の商品の仲買を行う企業には、「一部の商品について放射線検査の証明書の日本側の企業に用意してもらったほうがいい」と注意喚起があったという。中国国営放送では「各汚染水の放出のやり方で、岸田内閣の国民の信頼が危うくなった」と報じられている。一方、韓国・釜山では尹錫悦大統領が処理水放出と海産物に対する懸念を払拭しようと水揚げされたアナゴを鷲掴みにした。そのアナゴをその場で調理して食べ、安全性をアピールした。