浦上蒼穹堂の浦上さんに話を聞いた。読本を描いていた北斎は、現代のマンガ的表現を残している。北斎漫画はアニメーションの元になった。会場では北斎漫画のすずめ踊りをアニメーションにしたミニシアターもある。狩野派や琳派と違い、北斎は大衆を楽しませる絵を描いた浮世絵だった。続いて高橋工房を訪れた。江戸時代から浮世絵木版画の制作を始め、版元として浮世絵のプロデュースも手がけている。浮世絵の特徴は数多く制作できることで、神奈川沖浪裏も現代の値段で680円ほどだった。現代ではモナ・リザと並び称される作品となり、2年前のオークションでは3億円以上の値がついた。包み紙としても使われたことから欧州でジャポニズムブームを巻き起こした。高橋は山桜の版木を彫る体験をした。新形三十六怪撰「さぎむすめ」の着物の模様では、0.5ミリの線を歪みなく彫る超絶技巧が見られる。8色摺の神奈川沖浪裏で使う版木は4枚で裏面にも絵が彫られている。グラデーションになる水分量を調節し、色を濃く出したい場所に顔料をのせてのばす。水と糊をのせ、ブラシで馴染ませて濃淡を出す。高橋はオリジナルカラーの神奈川沖浪裏を作ることに挑戦した。
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