日銀は12月19日(木)、年内最後の金融政策決定会合で利上げを見送った。これを受け円相場は一時1ドル=157円後半と5か月ぶりの水準まで円安が進んだ。また日銀は1990年代後半からの金融緩和策の検証も公表。アベノミクスによる異次元の金融緩和については「デフレではない状況になることに貢献した」としつつも、「想定したほどの効果は発揮しなかった。国債を大量に買い入れたことは、市場にマイナスの影響を及ぼした」などと分析している。寺島実郎さんは「日銀が利上げを見送ったのは8月に0.25%政策金利下げたが、そのとき起こった株価の下落は極端な形で振れて、それがトラウマになって異次元金融緩和で株安と円高に持っていこうという流れを作った。本当に機動的にやるなら意味があったかもしれないが、2年がマックスなのに10年近くこういう構図を引っ張ってることに対して、いかに円安を固定化してしまっているか。そのことによって国民は、円安によって異様な輸入インフレを受けている。輸入インフレという形で物価にはね返ってきてる。日銀というものが置かれている役割というものをよく見つめて、アベノミクスを正しく評価して次に進み出さなきゃいけないところにきていることは間違いない」とスタジオ解説。