米国のトランプ次期大統領は来年1月の政権発足に向け、商務長官に関税の引き上げを主張してきたことで知られる実業家のハワードラトニック氏を起用すると発表した。商務省は国内の産業政策や他国への輸出規制などが所管だが、ラトニック氏は米国の金融サービスを手がける会社の最高経営責任者で、トランプ氏の政権移行チームでは共同議長を務めている。さらにトランプ氏は声明で「ラトニック氏は関税と貿易政策を主導し、USTR(米国通商代表部)にも直接の責任を負うことになる」としている。トランプ氏は選挙期間中、中国からの輸入品に関税60%、日本を含む外国から輸入される製品について10%〜20%の関税をかけると発言していて、ラトニック氏はこうした関税と貿易政策で中心的な役割を担うとみられる。