あと3日に迫った米国大統領選。両陣営は激しい中傷合戦を繰り広げている。トランプ陣営には米国の強さの象徴・プロレスのハルク・ホーガン氏が登場。ハリス陣営には世界の歌姫ビヨンセさんが登場した。鍵を握る激戦7州のうち、現在5州でトランプ氏がリードする情勢となっている。中でも支持率がきっ抗しているペンシルベニア州ではある発言を巡り泥仕合となっている。トランプ氏を支持するコメディアンであるトニー・ヒンチクリフ氏が米国への移民が多いプエルトリコについて「ゴミの島」と呼んだ。ペンシルベニアの人口のうち3.8%がプエルトリコ系の住民で選挙の勝敗を左右するとされている。そのため、トランプ陣営は火消しに追われていたが、バイデン大統領の発言で今度はハリス陣営が大炎上。「ゴミと呼んだのはトランプ支持者たちのことではなく支持者の発言だ」と釈明したが、揚げ足取りではトランプ氏のほうが一枚うわてだった。オレンジ色の作業着を着てゴミ収集車に乗り込み「カマラとバイデンに敬意を表している」と述べた。選挙戦最終盤に来て風向きのよくないハリス陣営。プエルトリコ系で人気歌手のジェニファーロペスさんを集会に呼んだ。更に、ハリス氏は首都ワシントンで最終弁論と称してトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃事件を糾弾した。米国政治に精通している専門家・大和総研経済調査部・矢作大祐主任研究員は、今回の選挙は結果がどちらに転んでも同じようなことが繰り返されるのではないかと懸念する。今、全米各地で暴動などに備え対策が進められている。首都ワシントンでは店舗が壊されないよう板が打ちつけられた。このほか一部の選挙管理事務所や開票所には防弾ガラスや有刺鉄線が張られるなどして警戒する動きが広がっている。