ブラジルの貧困地区・ファベーラは国内に1万2000か所以上あるとされ、多くの人が月収3万円以下で暮らすことしか出来ないだけでなく教育環境が整っていないことで貧困から抜け出せる人は僅かという。ファベーラの若者はかつてはプロサッカー選手を目指していたものの、現在はeスポーツのトップを目指そうとする動きが広がっている。eスポーツは年収が1億円を超えるプレイヤーも存在するなど、ゲームで一攫千金を目指そうとする人も少なくない。ファベーラからeスポーツプレイヤーとして駆け上がったNOBRUさんはすべてゲームのおかげと話す様子を見せている。父のスマートフォンを借りてゲーム技術を磨くとスカウトを受けたのだといい、米粒サイズの敵に正確な射撃を行う技術からeスポーツ界のネイマールとの異名もあるが、チャンネル登録者は1620万人・年収5億円を誇るという。活躍を受けてeスポーツを目指す若者の姿も多くなったといい、NOBRUさんサッカー選手に憧れるのは大金を手にし家族に家や車を買えるからだがしれがゲームでも可能なことを証明したと振り返った。リオデジャネイロではファベーラの若者をeスポーツプレイヤーにする試みを貧困問題に取り組むNGOが行っていて、授業料は無料であり約300人が通っている。このNGOはゲーム産業が収入を得る場になるとして6年前に施設を立ち上げている。特待生に上り詰めれば月4万円の支援を受けながらトレーニングを受けられるという。特待生のイリスさんは銃撃戦が起きることで出勤出来ないこともあるファベーラ出身であることから就活に苦戦していた中ゲームで稼ぐ形となったが、失業中だった私は奨学金をもらえるようになって人生が大きく変わりましたと振り返った。しかし、この施設でもプロになれるのは施設の卒業生のわずか1%未満となっている。そこでこのNGOはプロになれなくても貧困脱却につなげるために英語やプログラミングを同時に学べるようにしているという。プログラミングの道を選んだマルコスさんは自宅には机もなくパソコンに触れたのは施設に入ってからだったが、NGOが知識を得る機会を与えてくれた、家族にいい生活をさせたいと言う気持ちになるための扉だと話している。一方で日本ではゲーム上の出会いが特殊詐欺に加担させられるきっかけとなってしまった事件が発生するなど、注意すべき側面もある。