エジプトで存続の危機にある伝統的な人形劇アラゴズについて。ユネスコの「緊急に保護する必要がある無形文化遺産」に登録されている。特徴となっている高い声は演者が出している。アマーナという笛のような道具を使う。エジプトでは誰もが口ずさめる歌を通して日々の教訓を学んできた。しかし人形劇アラゴズは担い手不足が深刻化しているという。今では文化継承のために政府が行う公演以外ではなかなか見る機会がない。アラゴスは16世紀以降オスマン帝国支配下の時代に伝わったという説もあり、政治や社会を風刺するテーマも扱われ、暮らしに身近な存在だった。アラゴズを継承しようと開かれているワークショップを紹介。アラゴズの人形は手作り。講師は30年以上活動してきた熟練の演者のナセルアブデルタワブさん。収入が減るとしてコツを教えてこなかったことが問題だと指摘する。