BRICSの首脳会議の全体会合が23日ロシアで開かれ、ウクライナ侵攻でロシアが欧米などから制裁を科されていることを念頭に、国際法に反する一方的な経済制裁の撤廃を求めるなどとした内容を盛り込んだ宣言を採択した。エジプトやイランなどが加わり、加盟国が拡大してから初めて開かれたBRICSの首脳会議の全体会合。この中でロシアのプーチン大統領は“30か国以上が関係強化の意思を示している”と述べた。そのうえで、“私たちはBRICSがダイナミックに発展し、世界情勢における権威と影響力を強めているのを目の当たりにしている”と述べ、グローバルサウスと呼ばれる新興国などを中心にBRICSの影響力が拡大することに期待感を示した。全体会合では、公正な世界発展と安全のための多国間協力の強化をテーマに議論が行われ、「カザン宣言」が採択された。BRICSの国々との関係強化などを目指すパートナー国の資格を設けることを支持するとしたほか、ウクライナ侵攻でロシアが欧米などから制裁を科されていることを念頭に、国際法に反する一方的な経済制裁の撤廃を求めるなどとしている。またウクライナ侵攻をめぐっては、ことし5月に中国とブラジルが独自の和平案を提案したことを念頭に、対話と外交を通じた紛争の平和的解決に向けた仲介には注目するとしている。