ローマカトリック教会・フランシスコ教皇はローマ教皇として初めてG7サミットに出席した。AI・人工知能などをテーマにした会合で演説し、自律的に標的を選んで攻撃する兵器は禁止すべきだと訴えた。イタリ南部のプーリア州で開かれたG7サミットは全てのセッションを終了し議論の成果をまとめた首脳宣言を採択した。宣言では制裁で凍結したロシア政府の資産から得られる収益を活用し約500億ドルを新たなウクライナ支援に充てると明記した。その上でウクライナへの支援は必要とされる限り続くと強調した。中国とロシアの関係について、ロシアへの支援に深い懸念を表明するとしてロシアの軍需産業を支援する中国を含めた第三国の団体に措置を講じるとともにロシアの「制裁逃れ」に関与するものに深刻な代償を支払わせるとしている。また中国によるEVや太陽光パネルなどの過剰生産が各国の経済を弱体化させているとして懸念を示すとともに、中国に対し世界的なサプライチェーンの混乱につながりかねない重要鉱物の輸出規制を控えるよう求めた。さらにインド太平洋情勢をめぐり中国の海洋進などを踏まえ、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することなどで一致した。G7は今回のサミットを通じ、ロシアの軍事侵攻が長期化して支援疲れが指摘される中でもウクライナ支援の継続で結束を確認するとともにロシアを支援しないよう中国をけん制した。日本政府は国際情勢が複雑化する中、去年の広島サミットの成果も引き継ぎながらG7としての結束を確かなものにできたとしていて、首脳宣言の内容を踏まえ、様々な課題への対応で引き続き貢献していく考えである。