ワシントン支局・根本幸太郎記者が解説。民主党の政策綱領では、ハリス色をうまく打ち出せなかったように見えるが、政策綱領は90ページを超えていて、更新するにはそもそも時間が限られていたうえ、ハリス副大統領としては、重要政策で違いを示そうとして、かえって党内の亀裂を際立たせてしまうことを避けたかったという考えもあった。ガザ地区を巡る問題では、今回の党大会に合わせ、会場周辺で大規模な抗議活動が行われ、イスラエルへの支援に反対する民主党支持者も多く参加していた。党内でも論争を呼ぶテーマでは、表現1つで足元の支持層からも反発が起きかねず、ハリス副大統領としては、まずは挙党態勢の構築に重きを置いた可能性がある。党の幹部は、ハリスが今後数週間かけて、政策綱領を補う形で独自の政策を打ち出していくという認識だった。イメージ戦略には成功したハリス副大統領だが、大統領候補としての力量を証明するためには、独自性のある確かな政策が必要。今後、ハリスカラーをどこまで打ち出していけるかが鍵になる」。初日は民主党支持者の結束を固め、支持を強固なものにすることには成功したように見える。今後、独自色を出しながら、幅広い政策で、無党派層や野党共和党の支持者まで取り込んでいくことができるかどうかが問われることになる。民主党大会の詳細はあさって伝えていく。