- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆 横江公美 三牧聖子
世界が注目した米国の究極の選択。トランプ前大統領暗殺未遂事件や現職大統領の途中撤退など、異例の展開が続いた今回の選挙、米大統領史上初の女性大統領を目指した民主党のハリス副大統領と4年ぶりの政権奪還を目指した共和党・トランプ前大統領、当選を確実にしたのはトランプ前大統領だった。トランプ氏率いる米国はどこへ向かうのか、視聴者の声と共に徹底分析する。
世界が注目した米国大統領選挙はトランプ前大統領が当選確実となった。視聴者の声を紹介、「トランプなら世界の紛争を終わらせるだろうという期待がある」「ここで『もしトラ』が現実になったら本当に民主主義の危機と感じている」「トランプ氏が大統領になった場合、日本の経済がどれだけの影響を受けるのかが心配」などといったトランプ氏への関心や今後の影響を懸念する声が多く寄せられた。皆さんの声を放送中も募集、画面右のQRコードや番組HPから。
米国大統領選挙は全米50州と首都ワシントンに割り振られた選挙人の過半数にあたる270人を獲得した候補が勝者となる。トランプ前大統領が279人を獲得し当選を確実にした。勝敗を左右すると言われる激戦州7つのうち5つでトランプ氏が勝利を確実にしている。横江公美教授は今回の選挙について「トランプ氏の執念。1度敗れ、起訴もされておりある意味犯罪者という立場もあって民主主義の破壊者と言われながらそれでもほぼ大勝で執念を見せたなと思う」とし最後の演説で双方の選挙に対する熱意が違ったなど評価した。
世界が注目した今回の米国大統領選挙は共和党が4年ぶりに政権を奪還しトランプ氏が再び大統領に就任となった。大統領選挙は日本時間のきょう午前8時から各州で順次開票が開始。カギを握ると言われたペンシルベニア州で勝利を確実にしたトランプ氏、当選に大きく前進した。日本時間の午後4時すぎトランプ氏は勝利宣言、「この国が経験したことがない政治的な勝利だ。第47代大統領に選んでくれた米国国民に感謝する。」と挨拶。その上で「米国の将来はより良くより豊かで安全で強くなるだろう」と述べた。一方のハリス氏は投票日の夜には演説せず現地時間6日に演説するとしている。
ワシントンから中継。トランプ氏の当選確実が伝えられたが、現地の受け止めはトランプ氏の勢いが予想以上だったと受け止められているという。 来年1月にトランプ氏がホワイトハウスに戻って来る見通しとなった。今回の大統領選挙は事前の世論調査では接戦と言われ、結果が判明するまで数日かかる可能性も指摘されていたが、蓋を開けてみれば1日で決着がつくほどトランプ氏が強かった形。有権者が強い不満をもつインフレや移民に焦点をあて、バイデン・ハリス政権に対し徹底した批判をするトランプ氏の戦略が功を奏した形。トランプ氏の訴えが黒人やヒスパニックなど民主党支持層の一部にも浸透していたという。ハリス陣営は公式な受け止めを示していないが、アメリカメディアの中には民主党員にとって悪夢の再来と伝えているところもあるという。ハリス氏は6日、ワシントンで演説を行う予定で、何を語るのか注目される。今のところ、大きな混乱は伝えられていないという。
トランプ氏勝利の要因についてトーク。注目するのはペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州。ブルーウォールと言われ、伝統的に民主党の地盤。しかし、ペンシルベニア州など2つの州でトランプ氏が勝利を確実にした。ペンシルベニア州などはかつて主要産業だった鉄鋼業や石炭産業が衰退しラストベルトと呼ばれる地域の1つで両陣営が票の掘り起こしに力を入れてきたところ。トランプ氏は何回もペンシルベニア州に足を運んでいたが、何回も行くということはその地域のことを真剣に考えているというメッセージになると横江氏は指摘。ハリス氏がブルーウォールを死守できなかった要因について、三牧氏は白人票が大事になるが、ハリス氏自身にはそのアピールがなく、副大統領候補にウォルズ氏をもってきたが、結果的に黒人やヒスパニックなど伝統的に民主党支持が強いマイノリティーの少なくない数がトランプ氏に流れ、マイノリティー票が揺らいだなどと指摘。また、スタジオでは労働組合票もトランプ氏に流れただろうとの推察も出ており、若者票についてもジェンダーの問題もあり、Z世代の男性はトランプ氏支持の方が多いという調査もあるという。今回は中絶問題も争点になっていたこともあり、若者の女性の票はとれないとし、男性に特化したメッセージを発信してきたと指摘があった。
アメリカ国内の分断などを懸念する声について、油井は、議会乱入事件で起訴され、拘置所にいる被告たちに電話取材した、被告たちは、抗議の声をあげたことに後悔はないと話していた、トランプ氏が大統領になれば、こうした被告たちは恩赦や起訴取り下げなどに期待を寄せているなどと話した。三牧は、共和党支持者の約7割は、議会議事堂襲撃について、正当な行為だったと捉えている、トランプ氏が大統領になって、議会議事堂襲撃に関わった被告らに恩赦を与えれば、司法機関に対する信頼は失われる、時の政権が思う通りに司法機関を動かせてしまうことになるなどと話した。内戦や内乱の可能性について、三牧は、トランプ氏が大勝し、ハリス氏も結果を受け入れると発言していたことから、選挙結果を受けて暴力行為が起きることはないとみられるが、トランプ氏の暗殺未遂事件やハリス氏の事務所などへの攻撃があったことから、民主党・共和党支持者問わず暴力の兆しがないとは言えないなどと話した。
視聴者の声を紹介。「トランプ氏になったら戦争を終わらせるという理由でウクライナの一部をロシアに併合させてしまうのでは」といった声に、横江公美は「プーチン大統領の思い通り、といったやり方で終わることはないと思う」とコメント。三牧聖子は「アメリカの人たちもロシアの侵略を許しているわけではない。他方、今回の選挙の争点はほとんど国内問題だった。その心をつかんだトランプ氏が支持されたのも現実。アメリカの人たちとしても引き裂かれる思いがある」と指摘。
ハリス氏がガザ地区の人道支援を重視すべきだとしたのに対し、トランプ氏はイスラエルを強く支持する立場で自らを“歴代大統領で最も親イスラエル”としている。去年10月以降の衝突をめぐりイスラエルのハマス打倒を支持、自身が大統領選で勝利すれば和平を実現できるとしている。エルサレムから中継。ネタニヤフ首相はトランプ氏に祝意を示し蜜月関係をアピールしている。ネタニヤフ政権としてはこれまで以上に強力な支援に期待しつつ今後の出方を注視している。
中東情勢について。三牧氏は「トランプ氏は1期目の時に親イスラエルの政策を進めた。今回もイスラエルへの武器・弾薬支援を進める姿勢を示している。ただトランプ氏の方がイスラエルに圧力をかけて軍事行動を止めさせられる希望はある」などと話した。横江氏は「トランプ氏は停戦に持っていく努力はすると思う」などと話した。中東での戦火拡大について三牧氏は「イランへの軍事行動はさらに強まる可能性はある。超党派でイランを敵視した政策を行うことも考えられる」などと話した。
北京から中継。トランプ氏の対中国政策について。トランプ氏は「力によって平和を取り戻す」として中国と対抗する姿勢を訴えている。中国のSNSでは「新たな貿易戦争が始まる」などと波乱を予想するような反応が目立っている。景気減速に直面する中国は難しい対応に迫られる場面も増えそう。一方で中国国内ではトランプ政権によってアメリカの民主主義の負の側面が強く表れ、中国の世界での影響力を広げるチャンスと見る考えも出ている。
対中政策について。横江氏は「アメリカは中国にGDPで負けることなどを絶対に許さないので、関税に関してはかなり厳しくなるとみられる」などと話した。三牧氏は「台湾防衛に関する発言が出てきていないので、実際にトランプ氏が大統領になってどのような発言をするのかが注目される」などと話した。横江氏は「トランプ氏は台湾の安全保障に関しては強化する可能性が高い」などと話した。
「各国が分断すると貧困問題や環境問題の解決策を話し合うことが難しくなるのではと危惧している」「どの国の選挙をみていても極右・極左的な考えかたへの支持が広がっている印象、民主主義が機能しなくなるときがくるのではないか」「アメリカの国力は20世紀の頃よりかなり低下している。21世紀は大統領の手腕を試す時代」など視聴者からの声を紹介。
アメリカの一部の地域では18世紀ごろ、選挙の日にケーキを焼いて食べるのが習慣だった。歴史は18世紀に遡る。当時のレシピでどんなケーキだったのか。今回再現されたが、甘さ控えめで香料たっぷり。ケーキのような、パンのようなものだとか。蘇った選挙の日の伝統のケーキ。コネチカット州では新たな習慣としてコンテストも開催された。
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- コネチカット州(アメリカ)
アメリカ南部のフロリダ州にあるテーマパークで誕生したのは絶滅の恐れがあるスマトラトラの赤ちゃん。生息数600頭以下とも言われる希少なトラ。ママに甘えながらすくすくと育っている。
あすの国際報道2024の番組宣伝。
油井キャスターらがエンディングの挨拶。