政府は、再生可能エネルギーの比率を2040年度までに全体の半分程度に拡大する方針。福岡県北九州市の響灘は、国内でも風力発電に適した場所とされる。建設中の発電所は、東京ドーム約580個分の広さで、完成すれば国内最大規模となる年間約5億キロワット時となる。基礎を海底で固定する着床式を採用。先月運転を始めた海に浮かべる浮体式は、港から約15キロ沖合にあり、回転部分の直径は約100メートル。土台の浮体は約50メートル四方で、総重量は約1万トン。バージ型と呼ばれるタイプで、中に水や空気を入れ、浮き輪のような構造で、太いチェーンを下ろして係留する。トラブルが起きると運転が自動停止する。最大出力は3000キロワットで、約1900世帯の年間消費量に相当する。風力発電の技術開発などを手掛ける広島のグローカルをはじめ6社が運営。4月に商用運転を始め、九州電力側に売電している。政府は、立地の制約が少ない洋上風力発電を切り札として位置づけている。日本では、遠浅の海が少なく、着床式を設置できるエリアが限られるため、より深い水深でも設置できる浮体式の研究開発が進んでいるという。世界最大手のオーステッドは、ノルウェーなど一部市場から撤退。インフレによる資材高騰などが影響した。三菱商事は、関連事業について、想定よりコストが大幅に増えたとして、計画をゼロから見直す考えを明らかにした。