ちょこんと具材を添えたシンプルな醤油ラーメンは開店直後から飛ぶように売れる人気メニューで、客は「昔ながらのラーメンって感じだよね、おいしい」と話す。その秘密は、1杯100円という超破格の料金設定。ただ100円ラーメンで安く、慈善事業でやっているわけじゃない。いかに持続可能であるかが大事」「子供の頃に100円玉を握りしめてラーメンを食べて、そこで友達ができた。それが今となっては財産になっている」と話すのは、東京・八王子で「100圓ラーメン」を営む青木崇浩さん(48歳)。青木さんは、誰もが気軽に集まれて“人と人がつながる場所をつくりたい”と、地元で40年近く愛されていた「100円ラーメン」を復活させた。青木さんが目指しているのは、100円ラーメンで“百の縁”をつくること。その上で、最も大切にしているのは“継続する”ということで、青木さんは「一日だけ100円のラーメンを提供する。そうじゃなくて、毎日そこでは100円でラーメンが食べられるという価値」と話す。そこで青木さんは店内に広告を募集したり、オリジナルグッズを販売。その売り上げが材料品などに充てられているという。そんな青木さんの原動力は、20代で脳の病気を患った経験だという。リハビリ中の辛い時期に人との出会いで心が救われたことから、“人と人をつなぐ場所づくり”に奮闘している。青木さんは「近所付き合いもなくなって人間関係が少し希薄になったんじゃないかと感じていて、(人間関係を)もう一度取り戻そうと、とにかく続けるしかないんですよ。それ(人間関係)を生みたいんです」と話す。青木さんの“アスヨク”ソング・Simon&Garfunkel「Mrs. Robinson」。