山口がうつ病を発症した直接的な引き金となったのは2020年に始まったパンデミックだった。当初は躁状態で、寝れなくても仕事のスイッチが入ると頑張れたという。山口はライブの休止によって仕事を失った音楽業界の仲間を救おうと、基金の設立に動いていた。パンデミックの始まりから9か月が経つと、山口は群発頭痛に苦しむようになった。2022年5月の15周年記念オンラインライブで、心が決壊した山口は「俺が表立って話をするからサカナクションが俺だってなることがつらい」などとメンバーに気持ちをぶつけた。山口はオンラインライブが終わった直後から気力がなくなり、病院に行くとうつ病と診断された。翌月からは全国で28の公演が予定されていたが事務所の社長は中止を決断した。元バンドメンバーの原さんは山口を支えようと家に通った。発症から1年が経った頃、山口はリハビリのつもりでソロ全国ツアーを始めた。