ゲストの大和証券・杉浦さんが「2024年の注目セクター展望~半導体製造装置~」を解説。半導体製造装置の種類は多岐にわたり、シリコンウエハー製造装置や前工程製造装置・後工程製造装置などがある。主なメーカーは「東京エレクトロン」「アドバンテスト」などがある。日本の半導体製造装置の世界シェアは31%と高い。半導体市場そのものは2022年後半から調整局面となったが、生成AIの流行をきっかけに半導体製造装置市場については一部で盛り上がりがみられた。HBM(広帯域メモリー)はあらゆる電子機器に用いられるDRAMを積層させたもので、生成AIに対応できるメモリー。2022年にはAIサーバーの需要が高まり、今年以降も年率平均で20~30%程度伸びるといわれているが、そこにHBMが搭載されることになっている。2023年春頃から半導体製造装置メーカーの株価は大きく上昇した。株式市場が生成AI・AIそのものに向ける期待値の高さが株価に現れていると思われる。今年の前半もHBMの設備投資が活発になると予想していて、その中でもHBMに用いられるテスト関連装置の需要が伸びると考えている。テスト関連装置はHBMそのものの出荷数量だけではなく、技術革新によっても需要が変動する。テスト関連装置で注目の銘柄は「アドバンテスト」と「東京精密」。「アドバンテスト」はHBM向けテスタで高いシェアを持っていて、主要メモリーメーカー全てと取引している。リスクはスマートフォンのアプリケーションプロセッサーやパソコン・サーバーのチップに用いられるSoCテスタの需要回復のタイミングが不透明であること。「東京精密」はHBM向けプローバーで大手との取引実績があり、サーバー用のチップのシェアが高い。リスクはこちらもスマホ向け需要回復のタイミングが不透明であること。ただ、今年はAI機能を搭載したスマートフォン・パソコンが投入される予定で、AI機能を搭載したチップはテスト時間が長くなる傾向にある。それによってテスト関連装置の需要は回復が見込めるのではないかと考えている。午前7時8分ごろから投資のヒントを「モーサテ朝活Online」でライブ配信する。