米国議会下院は20日、ウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案の採決を行った。予算案は、総額約608億ドルで、支援の一部は返済義務がある借款の形を取ることになっている。採決では、下院で多数派を占める野党・共和党のうち保守強硬派の議員を含む約半数が反対したが、与党・民主党の議員のほとんどが賛成に回り、超党派での可決となった。ロシアによる侵攻が続くウクライナの最大の軍事支援国となってきた米国は、与野党の対立から追加の支援のための予算が承認されない状態が続いたため、去年暮れ資金が枯渇して以降、軍事支援が滞っている。下院での可決を受け、ウクライナ・ゼレンスキー大統領はSNSで、「戦争の拡大を防ぎ、大勢の人の命を救い、そして両国がより強くなる助けとなる」として謝意を示した。予算案の成立には、このあと上院の可決とバイデン大統領の署名が必要だが、支援の再開に向け大きく前進した。