南シナ海のスカボロー礁はフィリピンのEEZの内側にあるが、中国が実効支配を続けていて、2016年の国際的な仲裁裁判の判断は中国がフィリピンの漁業権を侵害していると認定。中国政府は国営メディアを通じてスカボロー礁について、領海を示す根拠となる「領海基線」を一方的に発表。フィリピン政府は領海などの範囲を改めて明確に規定する法律を制定していて、中国外務省はこれに強く反発し対抗措置をとる可能性を示唆していた。中国当局はことし6月、中国の領海に違法に侵入した疑いのある外国人を最長60日間拘束できるなどと定めた法令を施行。中国側は「領海基線」の発表によって今後、スカボロー礁周辺で司法権を行使した動きに出る可能性もあり、フィリピンとの対立がさらに激しくなるおそれもある。