ドイツ・フォルクスワーゲンの労働組合は経営側の歩み寄りが見られないとして2日、国内の複数の工場でストライキを行った。大規模なストは6年ぶりになる。組合は国内工場の閉鎖などに反発している。背景には急速な業績の落ち込みがある。経営側はコスト削減のために創業以来初の国内工場の閉鎖、従業員の給与削減の方針を明らかにした。急激な業績の悪化の要因には、中国メーカーとの競争が激化していること、中国市場でのシェアが奪われたことが大きい。他にもステランティスのCEOの退任が発表され、日本でも日産自動車・内田誠社長が世界で9000人の人員削減の方針を発表した。伊藤忠総研・深尾三四郎エグゼクティブフェローは「ASEANにおける中国勢の安値攻勢が強まってくる可能性は十分に考えられる。今ヨーロッパに吹いている逆風が日本勢に対しても吹いてくる。その上で日本メーカーはソフトウエアで機能がよくなるようなSDVの戦いが熾烈化してきている。日本勢としてはコスト削減だけではなくSDVでも競争力をつけ、戦いに挑まなければならないのが現状といえる」と指摘する。