EU(ヨーロッパ連合)が世界で初めて包括的にAIを規制することを目指して手続きを進めてきたAI法案は21日、加盟国に承認され、成立した。2年後の2026年に規制が本格的に適用される見通し。EUは21日、加盟国のデジタル分野などを担当する閣僚会議を開き、AIを規制するAI法案を承認し成立した。EUのAI法はリスクに応じてAIを分類し、このうち人々の社会的な信用度の評価、分類に使うAIや犯罪を行う可能性を予測する目的で人々の特性を分析評価するAIなどは利用が禁止される。また、教育機関や企業が入試や採用で人々を評価する際などに使うAIはリスクが高いとされ、偏った判断をしないよう適切なデータで学習させたり、利用中は人間が監視したりするなどリスク管理が求められる。さらに実在する人物の姿や声に似せて生成AIで作成した画像や音声などはAIによるものだと明示して透明性を確保することが義務づけられる。違反した企業には最大で3500万ユーロ、日本円でおよそ60億円か、年間の売上高の7%か、どちらか高いほうが制裁金として科されるという厳しい内容になっている。この法律による規制は2年後の2026年に本格的に適用される見通し。