鳥取大学の辻本教授は鳥取砂丘を乾燥地の研究に利用し、砂漠の国を小麦の国に変えようとしていた。辻本教授は1960年代に発展途上国で起こった緑の革命に影響を受け、43年間小麦を研究し続けた。交配によって作り出した小麦の種は約10000。中には暑さと乾燥に強い小麦があり、JICAなどの協力を得てスーダン国内3か所で現地実験を行った。持ち込んだ1000のうち6つの系統がスーダンの環境に適応できることがわかってきた。あと少しのところで現地スタッフから内戦拡大の知らせが届いた。実験場も戦禍に巻き込まれ、保存していた種がだめになってしまった。その後モロッコの大学から共同研究の申し込みがあった。