近年、日本各地で叫ばれる魚の不漁。水産資源の持続性、食卓の安定した魚の供給が求められている。日向灘に面した宮崎県中部の都農町。海水温の変化などにより漁獲高が不安定になり町が始めたのが魚の養殖。波が静かで養殖に適した湾にも恵まれる日本では、魚の生産量の4分の1が養殖。この町では海ではなく陸の上で新しい養殖に取り組んでいる。建物内にはタマカイが入った水槽が。タマカイは1kg約4000円で取引される高級魚。高級魚で希少価値が高いことから環境に左右されない陸上養殖で安定的な出荷が見込まれるとのこと。海での養殖は魚が出すフンやエサの食べ残しで環境に負荷がかかるが、陸上養殖ではフンやエサをバクテリアが分解。さらにフィルターで汚れを取り除き、きれいな水を循環させている。プロジェクトメンバーの中にスーツ姿の男性を発見。実はNTT東日本の社員。NTT東日本が提供しているのは魚の管理システム全般に関する技術。4年前には世界で初めて陸上養殖の紅サケを流通させた。都農町では陸上養殖したタマカイをふるさと納税の返礼品に。町おこしの起爆剤と考えている。地球環境の保全と水産業の発展を目指す陸上養殖の取り組みが評価され奨励賞を受賞した。