小売業の中間決算が出そろった。物価高が続く中、イオンは営業利益が1181億円で過去最高を更新した。トップバリュなどのプライベートブランドの商品が好調だったことに加え、業績を牽引したのが首都圏でおよそ1200店舗を展開する小型スーパー「まいばすけっと」だ。今年4月にオープンした新川リバー通り店(東京・中央区)を見ると店内はコンビニと同じような広さだが、商品棚にはコンビニでは買うことのできない生鮮食品が並ぶ。最大の強みが価格の安さ。イオンのプライベートブランドを扱っているところが魅力だという。また、大手メーカーの商品もコンビニより安く買える。実際、まいばすけっとと周辺のコンビニで日清カップヌードルの価格を比べるとコンビニが254円だったのに対しまいばすけっとは204円と50円の差があった。コンビニが使う宅配便の発送や店内調理などを一切行わないことで店舗の運営コストを切り詰めず商品価格を抑えている。こうした価格戦略が消費者の節約志向を捉えまいばすけっとの業績は好調。イオンの今季の営業利益を9億円押し上げた。今、首都圏を中心に年間およそ100店舗、3日に1店舗のペースで増えていてコンビニの脅威となっている。首都圏を中心に出店攻勢をかけるまいばすけっと。特定の地域に集中的に出店するドミナント戦略をとることで物流の効率化や知名度の向上を図っている。2030年までに、現在の2倍となる2500店体制を目指すがそこに新たなライバルが出現しようとしている。九州初のディスカウントショップ「トライアルホールディングス」が買収した西友と連携し、来月から都内に小型スーパーを出店する予定で競争の激化が予想されている。
