中国総局の下村記者に聞いていく。過剰生産の動きは今後も続くと見られる。中国政府は戦略的にあえて過剰生産を放置しているという指摘もある。世界で脱炭素化が課題となり、関連する産業の拡大が見込まれる中、市場での支配力を持ち続けるために容認している。競争の結果、強い企業が残ればそれでよい。この構図は太陽光パネルだけでなくEVやリチウムイオン電池でも同じで各国の懸念が強まっている。来年1月には米国でトランプ氏が大統領に就任するが、その米国をはじめ各国は中国にどう対応するのだろうか。すでに欧米では中国製EVなどへの関税の引き上げに踏み切っており、トランプ氏は中国製品への追加関税にも言及している。中国への依存を減らすため自国での生産を増やそうという動きも出ているのだが、いずれの対抗策も各国でインフレを招くおそれがあって簡単ではない。またトランプ次期大統領の就任後、米中の対立が先鋭化すれば中国が鉱物資源などの原材料の供給を絞るリスクもある。脱炭素化と脱中国依存をどう両立するのか。トランプ氏の再登板で先行きがますます見通しにくくなる中、中国との向き合い方がこれまで以上に重要となりそう。