石破総理大臣は、きのう衆議院を解散したばかりの今回の外国訪問。事実上の選挙戦が始まる中、本格的な首脳外交を直ちにスタートさせることも重要だと判断した。中国が覇権主義的な動きを強める中、ASEAN各国が一堂に会する一連の会議への参加は、首脳らと関係強化を図る絶好の機会となる。ある政府関係者は、石破総理は解散の日程を決める前から、会議の出席に強い意欲を示していたと語っている。安全保障政策をライフワークとする石破総理としては、地域の平和と安定に貢献する決意を示すことで、アジアのリーダーの1人として、存在感を高めたいねらいもあるものと見られる。石破総理はきょう、ASEANとの首脳会議に出席し、韓国・ユン大統領と会談したのに続き、中国・李強首相やインド・モディ首相らとも会談する予定。初めての外国訪問では、こうした首脳会談を重ねること自体が成果といえる。中国との間にはさまざまな懸案があり、インドも国際社会の中で急速に存在感を高めている。まずは突っ込んだ議論を行うというよりも、相手との関係も築きながら、懸案の解決に向けた糸口や、連携や協力の在り方を探ることになる。