移民の国・アメリカの玄関口、ニューヨーク。この地でアメリカンドリームを夢見る幾多の人々を出迎えてきた自由の女神像の台座には、エマ・ラザルスによる詩が刻まれている。「疲れし者、貧しき者を我に与えよ。自由の息吹を求める群衆を、あふれかえる哀れな人々、住む家なく、嵐にもまれし人々を我に送りたまえ。我は黄金の扉にて明かりを掲げん」……。彼女の明かりの下、移民の力で多様性と繁栄を手にしてきたアメリカ。しかし、2001年9月11日を境にそのあり方は大きく変わっていく。2つのタワーの崩壊は数えきれないほどの人生を狂わせたが、その中には後に世界を大きく動かすことになる人々の姿もあった。崩れ落ちるタワーを目にし、一つの決意を固めたニューヨークの不動産王、ドナルド・トランプ。ワシントンでテロ攻撃に遭遇し、アメリカを守るための戦いへと飛び込んだ連邦議員、バーバラ・リー。未曾有の惨劇を前に、ある決断を下した国務長官、コリン・パウエル。今回は、アメリカを変えた9.11と3人のアメリカ人の物語。