フランス・パリで開かれた初のパラリンピック。パリの町中では、障害のある人が大会を楽しめるよう大勢のボランティアが活動した。フランス政府の補助金を背景に、車いすで利用できるタクシーの数が4倍近くに増えた。一方、歴史ある街、パリならではの課題を指摘する声もある。車いすで生活するイルシーム・ジョングさんは、道路の石畳が危険だと指摘。また特に改善が必要だと感じているのが地下鉄だという。フランスの障害者団体のまとめによると、パリで十分なバリアフリー化を達成した地下鉄の駅は全体の約3%にとどまり、東京やスペイン・バルセロナより遅れている。パリの地下鉄は100年以上前につくられた駅や路線が多く残っていたり、駅の上に歴史的建造物がある場合があり、エレベーターやエスカレーターの設置が技術的に困難だという。自治体は、地下鉄のバリアフリー化に最大3兆円以上投入すると説明し、同時に厳しい現実も指摘した。パラリンピック中に開かれたスタートアップ企業の展示会では、最短経路のアプリや電動キックボードと車いすを合体させる技術などを紹介していた。