創業以来初めて工場の閉鎖などを検討しているドイツの自動車大手フォルクスワーゲンはドイツ国内の少なくとも3つの工場の閉鎖などを計画していることを従業員で作る団体に対して伝えたことが分かった。ドイツのフォルクスワーゲンはヨーロッパ市場の需要の落ち込みや中国のEVメーカーなどとの競争の激化に伴ってコスト削減が必要だとして、先月、工場の閉鎖を検討していることを明らかにした。今月30日には会社と労働組合の2回目の労使交渉が予定されているが、これを前に従業員で作る団体は28日、会社側がコスト削減の具体的な方針を伝えてきたと発表した。それによると、ドイツ国内の少なくとも3つの工場を閉鎖し、数万人の従業員を解雇するとともに残りの工場の規模の縮小を検討するということ。国内の工場が閉鎖されれば1937年の創業以来初めてとなる。従業員で作る団体の代表は声明で「会社側は事態を激しくエスカレートさせるリスクを冒している」として交渉を打ち切りストライキを行う構えを示し、方針の撤回を求めている。一方、会社側も声明を出し、「フォルクスワーゲンはその歴史で重要な局面を迎えている。今の課題は会社の未来を守るために共に取り組むことだ」として理解を求めた。